【紫外線の言い分】紫外線は家に中にも!?環境維持に役立つ!?

NHK
2023年8月12日 午前10:30 公開

シワやシミ、ソバカス、果ては皮膚ガンまで引き起こす悪の光線。
しかし、日本の水が安全に飲めるのは紫外線のおかげだった!?
菌や微生物を浄化する驚異の力に迫る!

もくじ ●水の浄化に大活躍!紫外線・UV-Cとは? ●お肌の大敵⁉UV-AとUV-Bの脅威 ●紫外線は家の中にも ●紫外線は環境維持に役立つ⁉

水の浄化に大活躍!紫外線・UV-Cとは?

アンチの言い分「日焼けするから嫌い!」 紫外線の言い分「紫外線をひとくくりにするな!」

忌み嫌われる紫外線だが、ひとくくりにするなとは一体、どういうことなのか?
解説してくれるのは、川中島水道管理事務所管理課長の軣廣人さん。

川中島水道管理事務所では、1日に最大5万2000立方メートル、およそ13万人分の水道水を浄化しています。深さ100mから汲み上げた地下水には、腹痛や下痢を引き起こす微生物がいますが、塩素では消毒できません。

そこで、これらの微生物の処理に使われるのが紫外線です。
UV-Cと呼ばれる紫外線の一種を人工的に発生させ、パイプを流れる水に照射します。
これであらゆる菌や微生物の細胞を破壊できるのです。

照射時間はおよそ1秒。ほんの一瞬で完全殺菌・不活化できるほど、紫外線は強力です。法律で定められているため塩素による消毒も行われますが、基本的には紫外線(UV-C)だけで処理でき、一般的な「ろ過」に比べ、水質を変えることなく浄水できます。

このほか、紫外線は、塩素の使いづらい水族館の水の洗浄や、水揚げした魚介類を入れる海水の殺菌などにも使われています。
紫外線はいろいろな水の殺菌などに活躍しているのです!

紫外線にはUV-A、UV-B、UV-Cの3種類があります。水の殺菌などに使われているのはUV-Cで、生命の設計図であるDNAを破壊するほど強力です。しかし大気中のオゾン層に吸収され、地表に降り注ぐことはありません。
私たちの肌に関わるのは、UV-AとUV-Bです。

お肌の大敵⁉UV-AとUV-Bの驚異

アンチの言い分「お肌の大敵!ウザい!」 紫外線の言い分「肌を赤く焼いているのはUV-Bだ!」

どういうことなのか?
UV-Bを浴びると、皮膚の表面にある角質層が赤く腫れます。

するとUV-Bを吸収するメラニン色素が作られます。これが「日焼け」です。

このメラニン色素がシミやソバカスの原因となります。

UV-Bは肌を赤く日焼けさせるだけでなく、シミやソバカスの原因となるメラニン色素を増やしてしまうのです。

アンチの言い分「肌を焼くならちゃんと黒くしろ!」 紫外線の言い分「UV-Aが肌を黒くして老化させる」

UV-Aを浴びると、メラニン色素が濃くなり、肌は茶褐色になります。

さらにUV-Aは、深いところにあるコラーゲン繊維を破壊してしまいます。
肌はハリや弾力を失い、老化の原因となります。

UV-Aは肌を茶褐色にするだけでなく、肌のハリや弾力を奪い、シワやたるみの原因にもなるのです。

紫外線は家の中にも

アンチの言い分「家にいるしかない」 紫外線の言い分「家にいても関係ねぇ!残念!」

日光の光の量を100とすると、紫外線はその中の6%。このわずかな量でも肌に大きな影響を与えるほと紫外線は強力です。しかも家の中にいても紫外線を浴びてしまうといいます。解説してくれるのは、紫外線に精通し、快適な空間を研究している東海大学建築都市学部准教授の竹下秀さん。

竹下さんは「私たちは太陽の光が当たってなくても紫外線を浴びています」とコメント。実際に家の中の紫外線量を計測してみたところ、窓際のUV-A量は屋外のおよそ3%にあたる139.2。

日光が届いていないリビングでも、1を計測。
紫外線は0でない限り人体に影響を与えるため、屋内でも油断は禁物です。

日光が届かないのにUV-Aが計測された理由について、竹下さんは「紫外線の光はいろいろな方向に散乱して広がっていくという特徴があります」と解説。UV-Aは空気中の細かいチリなどの微粒子に当たって散乱するため、日が当たらない室内にも届いてしまいます。

竹下さんによると、紫外線は太陽の高さ(時間帯)を問わずほぼ一定の量が家の中に入ってくるそうなので、油断は禁物だそうです。

紫外線は環境維持に役立つ!?

アンチの言い分「逃げ場がない!困る!」 紫外線の言い分「紫外線が地球を守っている!」

一体、どういうことなのか?
解説してくれるのは、基礎生物学研究所で、光合成のメカニズムを研究する皆川純教授。

皆川さんは「サンゴにとって、紫外線は生きるためにとても役立つものです」とコメント。
サンゴ礁は地球の表面積のわずか0.1%しかないといわれています。
しかし、およそ9万種類以上が暮らすといわれる生き物の住みかであったり、津波や高波を和らげる防波堤や海の水を綺麗にする「浄水器」の役割などを果たすなど、サンゴは地球環境を守る働きをしています。

そんなサンゴにとって欠かせないのが、紫外線のUV-Aだといいます。
その理由について、落語で楽しく解説してくれるのは、落語家の柳亭小痴楽さん。

https://movie-a.nhk.or.jp/movie/?v=xde8edc5&type=video&dir=yeg&sns=true&autoplay=false&mute=false

サンゴの細胞の中には褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる植物プランクトンが生息しています。サンゴがとる栄養のほとんどは、褐虫藻が光合成で作ったエネルギー。褐虫藻がいないとサンゴは栄養不足でどんどん弱って白くなってしまいます。これを白化(はっか)といいます。

サンゴの白化を防いだり、白化したサンゴを元に戻したりするには、サンゴの中の褐虫藻を増やしてあげればいいのですが、そもそもなぜ褐虫藻がサンゴを選ぶのか、謎に包まれていました。皆川さんたちが調べたところ、サンゴにある蛍光タンパク質がUV-Aを吸収して緑色に発光し、その光に褐虫藻が引き寄せられることを発見しました。

皆川さんは「白化しかけていて褐虫藻が減ってきているようなときに紫外線を受けると、褐虫藻が寄ってきて、また褐虫藻をサンゴの中に捕まえる、生き返るというようなことが予想されます」とコメントしています。
また、紫外線はサンゴの健康状態を調べる研究にも使われていて、人工の紫外線を当てて光れば、サンゴは元気だという証になっているといいます。
「この豊かな生態系を守るということにおいては、紫外線というのはとても大事なものです」

つまり、紫外線のUV-Aは地球環境に欠かせないサンゴが元気を取り戻すのに役立っているのです。私たち人間も、一日のうちに15分から30分 紫外線を浴びると、体内でビタミンDが作られて骨が丈夫になるといわれています。(※光線過敏症などをお持ちの方はご注意ください)

まとめ

いかがでしたか?
実は私たちの生活に欠かせない紫外線。
日焼け止めクリームや帽子などを使いながら、上手に付き合っていきましょう。

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