大関・霧島 ”綱”への挑戦が始まる 推し相撲

NHK
2024年3月29日 午前9:30 公開

「いつもどおりやれば問題ないと思って。一番だけに集中したので、それがよかった」

横綱昇進に挑む場所で白星スタートを切った大関・霧島。重圧がかかることも予想される場所ながら、取組後の受け答えは落ち着いていた。今場所も「いつもどおり」で臨む。(※2024年1月15日スポーツオンライン掲載)

去年は充実の1年


去年は春場所で初優勝、夏場所後には大関昇進。さらには九州場所で大関として初優勝を果たすなど、充実の1年を過ごした。

去年の九州場所の優勝額とともに(1月13日)

初場所には横綱昇進をかけて臨むことになった。若い頃には「夢」としていた地位だ。

1人稽古場に残って基礎運動を行いながら、こっそりと横綱土俵入りをまねてみたこともあったという。その夢が現実味を帯びてきているが、いつもどおりリラックスした受け答えに終始している。

<大関・霧島>

『いろんな人から『綱とり』って言われるんですけど、あんまり自分では気にしないで、稽古場でやることをやっていけば大丈夫かなと。』

壁は「横綱」


綱とりの大きな壁となるのが、横綱・照ノ富士。これまで10回対戦して、すべて敗れている。

横綱審議委員会の稽古総見で

今月9日の稽古総見では、久々に手合わせがあったが、2番とも敗れた。

<大関・霧島>

『全部負けてるんで、本当に負けた悔しさもある。どんどん稽古して、やれること増やしていかないとだめだなと思いました。』

初日を4日後に控えた今月10日、霧島は時津風部屋へ出稽古に赴いた。

1月10日の出稽古

「やれることを増やす」ということばどおり、得意とする四つの形だけでなく、もろ手で突いて攻める、相手の上体を起こすような当たりなど、あらゆる攻め方を試した。最終的には33番連続で相撲を取り、最後まで手は抜かなかった。語り口こそ穏やかだが、照ノ富士に対する静かな闘志もかいま見えた。

<大関・霧島>

『稽古場でやらないと本場所ではできないので。流れってやっぱり稽古の結果が出てくるので、それを信じて。横綱への1つの恩返しで『さすが、強くなった』って言われるくらいの相撲を取って勝ちたいですね。』

綱とりにも冷静に


迎えた初日。対戦相手は関脇経験者の若元春。場所前の稽古でも何度も胸を合わせている実力者だった。

左四つになると無類の力を発揮する相手の左腕を跳ね上げて巧みに力をそらした。

そのままいなして、最後は引き落とし。納得の内容とまではいかなかったものの、猛稽古の結果はついてくると、自信をのぞかせた。

<大関・霧島>

『思い切り当たろうと思っていて、そういう気持ちで当たった。本当はもっと前に出て相撲したかったけど、最後引いちゃった。場所前に自分ができるだけのことをやってきたので、結果も出てくると思う。』

支えは家族


激しい戦いに身を置く中で、救いになっているのが3歳の長女、アヤゴーちゃん。愛娘の話をするときは、思わず霧島の顔もほころぶ。そのアヤゴーちゃんは大の相撲好き。パパが勝つと大喜び、負けると泣いて悔しがるという。場所前、霧島はこんなエピソードをあかしてくれていた。

稽古を終えて笑みがこぼれる霧島(左)

<大関・霧島>

『相撲だけでなくて、ほかの勝負で負けても怒られる。ゲームで負けても怒られるので。「パパは勝負で負けてはだめだ」って。そういう思いがあるから一生懸命頑張れます。』

最も近くで支える家族の応援を力に変え、稽古を重ねてきた27歳。「横綱」という夢をつかむための15日間の勝負に臨む。

この記事を書いた人

舟木 卓也 記者

平成25年NHK入局。令和2年秋からスポーツニュース部。

プロ野球(ロッテ)担当を経て、現在は大相撲や柔道など格闘技担当。