大相撲の一門って、いったい何なの?

NHK
2024年3月29日 午前7:27 公開

大相撲には一門という相撲部屋が集まったグループがあります。今はコロナ禍のため一門の力士が一緒に稽古をする連合稽古はできなくなり、冠婚葬祭のおつきあいも自粛しています。

一門はどう誕生し、どんな役割を果たしているのか。改めて見てみましょう。(※2021年9月11日スポーツオンライン掲載)

一門はどのような集まりなのか


日本相撲協会の規則には一門について書かれていません。しかし古典芸能や囲碁や将棋の世界と同じように、大相撲でも師匠と弟子のつながりから、いくつかの相撲部屋がグループになっています。これを相撲界で一門と呼んでいます。

一門はいくつあるのか


日本相撲協会には5つの一門があります。「出羽海一門」「二所ノ関一門」「時津風一門」「高砂一門」「伊勢ケ濱一門」の5つです。

照ノ富士の奉納土俵入りで太刀持ち宝富士、露払い照強(令和3年8月24日)

横綱は白鵬も照ノ富士も「伊勢ケ濱一門」に所属しています。横綱土俵入りで太刀持ちと露払いを務める力士も同じ部屋か、同じ部屋に関取がいない場合には一門から出ます。新横綱となった照ノ富士が明治神宮で奉納相撲を行ったときも太刀持ち宝富士、露払い照強と同じ部屋の2人でした。

一門はどんな活動をしているのか


二所ノ関一門の親方や関取衆が出席した貴景勝の大関昇進披露宴(令和元年6月)

活動では冠婚葬祭のおつきあいが多いです。コロナ禍になる前の令和元年6月に行われた大関貴景勝の昇進披露宴でも二所ノ関一門の親方や関取衆が、大勢出席してお祝いをする姿が見られました。

二所ノ関一門の連合稽古(平成30年5月)

二所ノ関一門では年6回の本場所前に、一門の関取衆が参加する連合稽古を行っていましたが、今はコロナ禍で取りやめています。出羽海一門も正月の稽古始めに1年交替で出羽海部屋と春日野部屋を会場に一門の連合稽古を行っていました。

どうして一門ができたのか


昔は関取も月給がありませんでした。そのころはごひいきのご祝儀や地方巡業の収入で力士は生活していました。巡業に行くグループが一門になりました。一門ごとに地方に分かれて巡業に行きますので、自然と結びつきが強まってしっかりした団体になりました。

戦前は巡業に行く組合という意味から一門は「組合」と呼ばれていました。いまの巡業は日本相撲協会が一つにまとめています。

一門の活動が活発なのはどんなときか


一門から選ばれた理事が出席した理事会(平成30年3月)

2年に1回行われる日本相撲協会の理事選挙のとき一門がよく活動します。10名の理事の選挙で、投票権のある親方を集めるためにいろんなお願いごとが行われています。現在は高砂一門の八角理事長をはじめ10名の理事が選ばれ、新型コロナウイルスの感染防止対策に取り組んで、観客数を制限して本場所の開催を続けています。

相撲専門雑誌「NHK G-Media大相撲中継」から