初場所序盤戦を分析 ~音羽山親方の目~ 推し相撲番外

NHK
2024年3月29日 午前9:30 公開

ことし最初の本場所、大相撲初場所も序盤戦を終えました。毎場所恒例の「親方の目」今回は、元横綱・鶴竜の音羽山親方に聞きます。綱とりがかかる大関・霧島の状態や、休場明けの横綱、さらには勝ちっぱなしの関脇・琴ノ若など、注目ポイントがめじろ押しです。(※2024年1月19日スポーツオンライン掲載)

元横綱・鶴竜の音羽山親方とは

元横綱・鶴竜の音羽山親方は16歳だった平成13年に来日し、その年の九州場所で初土俵を踏みました。

スピードと相撲のうまさを生かした取り口で、特にもろ差しの攻めは、師匠だった元関脇・逆鉾の井筒親方から教わった得意の形でした。優勝回数は通算6回と平成の終わりから令和にかけての大相撲を支えた横綱の1人で、横綱在位は41場所。令和3年3月に引退しました。陸奥部屋の部屋付きの親方として指導に当たってきましたが、先月27日に音羽山を襲名、部屋持ちの師匠として独立しました。

「綱とり」の霧島は冷静


まずは部屋の弟弟子でもあった大関・霧島。

5日目 阿炎に勝った一番

4日目に土がついたものの、5日目は阿炎を相手に土俵際での動きのよさを見せ、連敗しませんでした。

<音羽山親方>

『落ち着いて対処した。あれが逆になって霧島の足が出ていてもおかしくはなかった。勝ちきったのは大きいんじゃないか。』

霧島の大関昇進後はあえて具体的なアドバイスを送らないようにしているという音羽山親方。綱とりがかかる重要な場所では「自分を信じることができるか」が大切になるといいます。

<音羽山親方>

『まわりはいろいろと言うと思うが、聞きたくなくても耳に入ってくると思う。それをいかにいい意味で無視して相撲に集中できるか。壁になるのは「横綱」だけだと思う。あとは自分さえしっかりすれば、勝てない相手じゃない。』

横綱 動きは悪くない


霧島の壁として挙げられた横綱・照ノ富士。

5日目の相撲では北勝富士を相手に右腕を懐に差し込み、そのまま前に圧力をかけて圧倒しました。横綱本来の右四つの形を作った攻めでした。

<音羽山親方>

『きょう(5日目)はしっかりした形で前に攻めて、四つに組み止めてという感じだった。』

音羽山親方はここまでの5日間を振り返り、1敗は喫したものの横綱の相撲内容を評価しました。

<音羽山親方>

『1日1日土俵に上がって勝っていくと、感覚も戻ってくる。経験があるから、どんどん落ち着いてくるんじゃないか。決して動きが悪いわけではない。』

"好調" 琴ノ若


さらに三役以上で勝ちっぱなしの5連勝をキープしているのが関脇・琴ノ若。

5日目は新小結・宇良の動きに崩れそうになる場面もありましたが、右上手を引くと、安定感のある相撲で送り出し。大関候補の筆頭として、注目を集める琴ノ若については、相撲の技術ではなく、精神的な面を高く評価しました。

<音羽山親方>

『精神的に安定しているんじゃないか。先場所もそうだったが、序盤戦がよくなっている。1回負けるとぽろぽろっと負けるところがあるから、連敗しないことが上に上がっていくために大事だ。』

朝乃山にも注目


そして、親方が注目するのが大関経験者の朝乃山。平幕ではありますが、ここまで5連勝です。

先場所はけがのため途中出場ということもあり、力を出しきれませんでした。このまま連勝が続けば、おもしろい存在になると指摘します。

<音羽山親方>

『朝乃山がどれだけ連勝していくかで上位に当たるかが決まる。ファンの声援に応える気持ちがずっとあると思うし、ここ何場所かはけがで思うようにいかなかったと思うが、今場所についてはいいスタートを切れているんじゃないか。』

中盤以降は?


序盤戦を終え、連日満員御礼が続く初場所。最後に残る10日間の展望を語ってくれました。

<音羽山親方>

『横綱が出ているし、注目されている力士が多い。今場所は盛りだくさんだが、上位陣が引っ張っていくんじゃないか。中盤戦以降はどんどん相手が厳しくなっていって、お互いに当たってくる。優勝争いに向けては絞られてくるんじゃないか。』

この記事を書いた人

舟木 卓也 記者

平成25年NHK入局。令和2年秋からスポーツニュース部。

プロ野球(ロッテ)担当を経て、現在は大相撲や柔道など格闘技担当。