オリバーな連載①【オダギリ監督インタビュー】

SYO
2022年9月5日 午前10:01 公開

オリバーな犬シーズン2の放送に向けて皆さんにもっと本作の裏側をお伝えしようと、
オダギリ監督のインタビューはもちろんのこと、撮影舞台裏、キャストインタビュー、考察コラムなどをお届けします。

執筆をいただくのは・・・
映画・アニメ・ドラマを中心に、小説や漫画、音楽などエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆され最近ではトークイベント・映画情報番組への出演も多い、SYOさんに担当いただきました!

連載第1回目となる今回はドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』の脚本・演出、そしてまさかの警察犬を演じたオダギリジョーさんに特別インタビュー! シリーズへの想いを語っていただきました。(聞き手:SYO)

――『オリバーな犬』1~3話の反響はいかがでしたか?

放送タイミングはNHK連続テレビ小説の撮影中だったので、最初にいただいたのは朝ドラ演出部の方々からのリアクションでした。ドラマを作る仲間でありライバルたちから「普通のドラマではやれないことができてうらやましい」と言ってもらえて恐縮しましたし、その熱が想像以上に高くて「作った甲斐があったかな」と思えました。僕はドラマの演出に関しては素人同然。自分たちの哲学を持って、演出を仕事にしている人たちからの反響は興味深かったです。公式Instagramのコメントにもすべて目を通しましたよ。

――一般の視聴者からの反響も含め、ちょっとしたムーブメントになりましたね。

いま、みんながものづくりに対して過度に気を遣っているんじゃないかと思うんです。コンプライアンスやネットの炎上など、色々な要因があるんでしょうが、行儀のいいものしか作っちゃいけないような風潮があって、思い切って飛び越えようとすることが少ない。そんななかで今回「でも、視聴者がみんなそれを望んでるわけじゃないよ」と少しだけ明らかにしたんじゃないかと感じています。

――通常のNHK視聴者層を超えて幅広いファンが生まれた結果、続編制作が決定しました。

脚本のデッドラインも撮影時期も決まっていたので、逃げられない状況を作られてしまった!という気持ちでした(笑)。Instagramを見ていると期待してくださる声もすごく多いですし、それに応えられるだろうかというプレッシャーもあって、1~3話とはまた違った気持ちでのスタートでしたね。「こんな期待してもらっても……。シーズン2ってだいたい失敗するけどね……」みたいな重圧と不安が生まれていました(苦笑)。

――脚本は『カムカムエヴリバディ』撮影期間中に書き上げたと伺いましたが、となるとかなりの難産だったのでしょうか。

まさにそうですね。ただ今回、追い込まれたことで「やればできるんだ」とは感じる事ができました。誰しも「これは自分に合っていない」とか「自分にはそんな才能がない」と思い込んでいるだけで、何事も本気になってやってみたら意外と乗り越えられるものなのかもしれません。

――オダギリさんならではの脚本制作の方法論はありますか?

『北の国から』等で知られる脚本家の倉本聰さんのドキュメンタリーを観ると、ものすごく細かく人物の経歴や歴史を作り上げたうえでストーリーに落とし込んでいく書き方をされていましたが、僕はざっくりした設計図くらいで書いているうちに自然に広がることを面白がっているタイプだと思います。

今回の第5話に関しては時系列順に出来事を考えて、そこに当てはまるようにストーリーを書いていきましたが、初めての試みでした。脚本を書いているときは「ゾーンに入る」感覚で勝手に手が進んでいく部分と、前もって入れておきたい要素をメモしたネタ帳から引っ張ってくる部分をうまくバランスを取りつつまとめて行くような感じですね。

――新たな挑戦を経て、今後のさらなるシリーズ化にも期待が高まりますが……。

この作品をゼロから一緒に作り上げた山本喜彦プロデューサー(※1)と「今後どうしましょうか」と話しています。いくつかアイデアはあがっているので何か面白いことができれば…とは思っています。

でも、僕は僕で『オリバーな犬』ばっかりやっていてもしょうがない気もするんですよ(笑)。役者の仕事でやらないといけないものもあるし、監督としてももっと他にも色々挑戦しなければとも考えます。山本プロデューサーも色々な仕事に携わっていますし、僕たちにとって『オリバーな犬』が良い意味での息抜きの場になればいいかなとは思っています。だからこれからも、お互いのタイミングが合えば面白い展開が続いていくんじゃないかと思います。

※1 山本喜彦:株式会社メディアミックス・ジャパン所属のプロデューサー

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次回は山本喜彦プロデューサーのインタビューをお届け! 更新を楽しみにお待ちください。