東京学芸大学名誉教授・石井正己さんの「文豪たちが書いた関東大震災」は、10月1日(日)~12月24日(日)全13回シリーズで放送します。
大震災直後、電報、電話、新聞などの通信機関が途絶えると、人々は急に伝達本能を発揮してうわさ話・流言を発信するようになりました。小説家・里見弴(とん)は作品「噂する本能」の中で流言の伝わる速度の速さとその内容の不正確さについて記しています。東京学芸大学名誉教授・石井正己さんが劇作家・小山内薫の「道聴途説」や反骨のジャーナリスト・宮武外骨の「流言浮説集」を読み解き、流言がもたらした影響を解説します。
当時、尋常小学校や第一高等学校に通っていた子供たちの多くも被災し、その作文が書籍や文集として残されています。今回は、後に文豪と呼ばれるようになる人たちの作文を取り上げ、読み解きます。直木賞作家・戸板康二や政治学者・丸山真男、当時15歳の女学生だった映画文化活動家・川喜多かしこなどの文面からは、大震災を生き抜く子供たちのたくましい姿が伝わってきます。東京学芸大学名誉教授・石井正己さんが解説します。
大震災では出版社の多くが全焼し、雑誌も廃刊に追い込まれました。文芸誌「白樺」もこの年の8月号を最後に、14年ほど続いた歴史の幕を閉じました。白樺派の小説家・志賀直哉は京都で、武者小路実篤は宮崎で新聞から震災を知ります。また、芸術誌「詩と音楽」を刊行していた山田耕筰は、中国ハルビンで震災を知りました。戒厳令下の東京に駆けつけた彼らが書き残した作品を東京学芸大学名誉教授・石井正己さんが解説します。
こころをよむは、文学・美術・映画など、各分野の第一人者が、現代人が抱える、老い・家族・環境など、さまざまな問題をストレート・トークで分かりやすく読み解いていく番組です。