東京学芸大学名誉教授・石井正己さんの「文豪たちが書いた関東大震災」は、10月1日(日)~12月24日(日)全13回シリーズで放送します。
関東大震災は浅草、上野でも甚大な被害を出しました。バス乗車中に被災した劇作家の中村吉蔵は「浅草公園を脱出して」という作品を著しました。また上野公園にて「東京は見渡すかぎり灰になっていた」と記した小説家・宇野浩二は一方で、厳しい状況下でもお互いに協力しあう人々の姿を書き残しています。東京学芸大学名誉教授・石井正己さんが洋画家・有島生馬の体験記などを紹介しながら浅草・上野での被災記録を読み解きます。
「関東大震災」から100年が経ちました。今回のシリーズではこの震災を経験した文豪たちにスポットをあてます。当時、書籍や雑誌、詩歌などに多くのすぐれた作品が残されいて「災害文学」とも呼ばれます。東京学芸大学名誉教授・石井正己さんが集めた45人の文豪が書いた体験や復興の展望を紹介し、やがて来ると言われる首都圏直下地震や南海トラフ地震と向き合う知恵を学びます。第1回は東京の本所、深川での被災の記録です。
近年、消滅しかけている地元の方言を記録するため文学作品などの名著を方言に変換して残そうという試みが行われています。キリスト教の聖典である「新約聖書」を岩手県・気仙地方の方言に置き換えた作品や、松尾芭蕉の「奥の細道」を山形県・尾花沢弁にした作品など、実際に朗読音源を聴きながら和歌山大学・澤村美幸准教授が解説します。澤村さんはこうした試みでは、純粋に方言の持つ味わいを楽しむこともできるといいます。
こころをよむは、文学・美術・映画など、各分野の第一人者が、現代人が抱える、老い・家族・環境など、さまざまな問題をストレート・トークで分かりやすく読み解いていく番組です。