「牛の牛車はうららんでおじゃる」

おじゃる丸がヘイアンチョウにいたころ、なかよしのウシが引く牛車(ぎっしゃ)にゆられ、気がむくままにゆったりと散歩(さんぽ)していた。おじゃる丸が月光町に行ってしまった今、ウシは牛車で花をとどけるしごとをしている。ある日、おじゃる丸をのせて歩いた道にたまたま通りかかったウシは、むかしのことをなつかしく思う。そのころ月光町では、カズマの背中(せなか)におぶさったおじゃる丸が牛車の夢(ゆめ)を見ていた。