カップラーメンにお湯（ゆ）を入れ、真剣（しんけん）な顔でタイマーのボタンを押（お）す子鬼（こおに）トリオ。それもそのはず。できあがりまで７分半もかかるというとくべつなカップラーメンなのだ。きっととんでもなくおいしいはず。しかし！楽しみに待つトリオの前に、いつもにましてぐーたらでスキだらけなおじゃる丸があらわれる。シャクを取りかえすまたとないチャンス！ラーメンか？シャクか？それが問題（もんだい）だ。

絵巻物（えまきもの）『おじゃる源氏（げんじ）』の作者（さくしゃ）・赤紫式部（あかむらさきしきぶ）は、物語（ものがたり）の中でおじゃる源氏が誰（だれ）の餅（もち）を選（えら）ぶのか決（き）めかねていた。オカメの君（きみ）、うすいのさちよどころ、カズマの上、乙女壺（おとめつぼ）、それとも小町の上…？悩（なや）む赤紫式部のもとにオカメ姫（ひめ）がやってきて…。「オカメの君編（へん）」はじまりはじまり～。

ミノルがタナカヨシコの店で１枚（まい）の皿（さら）に出会った。黄色（きいろ）くてまんまるいその皿は自分のことを、お月さまだと思っていて、いつか自分を持（も）ち主（ぬし）がむかえにやってくると信（しん）じているらしい。なんとなく食器（しょっき）の気持（も）ちが感じとれるミノル。タナカに「その皿売ってみるかい？」と依頼（いらい）され、むかえを夢（ゆめ）見る食器の声に耳をかたむける。

少女マンガ家・うすいさちよはマンガ大賞（たいしょう）に出す作品（さくひん）を描（か）こうと、とある旅館（りょかん）へひとりたび。泊（と）まった部屋（へや）でマンガを描きはじめると、みるみる物語（ものがたり）の世界（せかい）にのめり込（こ）み、気づかぬうちにセリフを声に出していた。「わたしをたすけてください…」。それを聞いた旅館の仲居（なかい）は、自分に話しかけていると勘（かん）違（ちが）いして…？