吉岡(鶴田浩二)に反発する陽平(水谷豊)と竜夫(森田健作)、悦子(桃井かおり)は、意見の対立を機にガードマンを辞めてしまう。ある日、竜夫は独身をつらぬく吉岡と自分の母親が、かつて結婚まで考えた関係であったことを知る。真相を確認しようと、3人は連続猟銃乱射事件で警備中の吉岡を訪ね、強盗事件に巻き込まれてしまう。警報装置を切れと強要する強盗に「人間には誇りがある」と一歩も引かない吉岡は拳銃で撃たれ…。
吉岡(鶴田浩二)らに救われ、自殺を思いとどまった悦子(桃井かおり)は、頼みこんで吉岡と同じ警備会社に就職する。スーパーの警備についた悦子は、万引き犯の女をつかまえるが、身の上話に同情して逃がしてしまう。吉岡は「悪事に情けは無用」と、女を警察に突き出し、反発した悦子は竜夫(森田健作)と陽平(水谷豊)とともに仕事を辞めると言い出す。吉岡は「善い悪いを無理にでもはっきりさせなければいけない」と語りだす。
警備会社の司令補・吉岡晋太郎(鶴田浩二)は、特攻隊の生き残りの戦中派で、チャラチャラした若者の言動には我慢ができない筋金入りのガードマン。新人の杉本陽平(水谷豊)と柴田竜夫(森田健作)とともに「自殺の名所」とされる高層ビルを警備し、夜間の自殺者を防ぐ任務に就く。ある夜、若い女(桃井かおり)が忍び込み、屋上から飛び降りようとするのを止めた吉岡は、若者たちにギリギリに生き抜いてきた戦時中のことを語る。