柚月(工藤夕貴)に無断のまま鹿島槍ヶ岳山頂へ単独で向かった綾子(夏樹陽子)。綾子が小屋に残した手帳の記述から最悪の事態を察知した柚月は岳人(中村俊介)と共に後を追う。一方、麓では盗撮写真をネタに弥生(若村麻由美)を脅していた舘村(新藤栄作)が、なぜか急に態度を軟化させる。怪しく思った弥生はあかね(本仮屋ユイカ)にその訳を問い詰めて、そこに昭一(田中健)の思惑が絡んでいたことを知りがく然とする。
父・昭一(田中健)と村長の弥生(若村麻由美)が親密にしている様子を自らも目撃してしまい激しく動揺した柚月(工藤夕貴)。昭一との夢を果たせず早世してしまった母・民枝(朝加真由美)の無念を思い、あまりに不実だと昭一をなじる。堪らずあかね(本仮屋ユイカ)を呼び出して、やけ酒をあおる柚月だったが、あかねから弥生の置かれている厳しい状況と弥生を支えるために昭一が果たしている役割の大きさを知らされ我に返る。
柚月(工藤夕貴)は父・昭一(田中健)に、彼が村長の弥生(若村麻由美)と二人で白馬岳に登ったことについてその存念を問いただす。娘からたしなめられた昭一は逆に柚月に向かって、自分こそ岳人(中村俊介)と身を固めたらどうだと詰め寄り、親子の想いはまたもやすれ違う。一方、議員の舘村(新藤栄作)は、弥生と昭一が仲むつまじく登山する様子を盗撮した写真を入手し不敵に笑う。そして、柚月は八ヶ岳の仕事へと向かう。
柚月(工藤夕貴)の元に、会社員時代に親友だった向井英子(小林綾子)から帽子の制作依頼が届く。柚月はうれしくて、仕上げた帽子を手に英子が夫の宏治(湯江タケユキ)と暮らす福島の二本松を訪れる。宏治は震災で傾いた老舗和菓子店を営む両親を助けるため会社を辞めて英子と息子を連れて実家にUターンしていた。久々の再会に胸を躍らせて和菓子店を訪れた柚月。しかし、待ち受けていたのは英子のひどく冷たい態度だった。
柚月(工藤夕貴)がけげんに思うのをよそに、父・昭一(田中健)は村長の弥生(若村麻由美)との距離を急速に縮めていく。一方、自分の恋路はと言えば、好意を寄せていた岳人(中村俊介)との間が、ある事が原因ですっかり冷え込んでしまい意気消沈する。そんな傷心の彼女の元に初老の夫婦を雨飾山にガイドする依頼が舞い込む。依頼主は妻(市毛良枝)のほうで、無理やり連れて来られた形の夫(石丸謙二郎)はすこぶる機嫌が悪い。
山岳ガイドとしてステージ3に昇格した立花柚月(工藤夕貴)。昇格祝賀会では彼女を応援する役場職員の藤森あかね(本仮屋ユイカ)も、我が事のように喜ぶ。だが、そこへ柚月最愛の母の訃報が届く。落胆する柚月。しかし気丈に告別式を終えると白馬に戻ってガイドの仕事に復帰する。復帰後最初の依頼客は、母と娘の親子連れ。なんでも、娘の女子大学生・夏樹(中田乃愛)が母親のあおい(高島礼子)を強引に連れ出したらしい。