身の回りのほとんどのモノは「手間がかからず頭を使わなくてもよい」という「便利」さを追求してデザインされています。ところが今「便利」とは全く逆の発想で社会やモノをデザインしようという試みが注目されています。提唱者は京都先端科学大学の川上浩司教授。不便だから得られる利益を「不便益」と名付け、便利すぎる世の中に疑問を投げかけています。常識に楔(くさび)を打つ発想を通して、デザインの新たな可能性を考えます
「リサイクル」ならぬ「アップサイクル」。本来であれば捨てられるはずの廃棄物や不要な製品に、デザインやアイデアなど新たな付加価値を持たせ、新しいモノにアップグレードして生まれ変わらせることです。持続可能な社会を目指す取り組みが求められている今、その先を行く重要な考え方の一つです。今回は建築家の長坂常さんをゲストに迎え、アップサイクルというコンセプトから生まれた新たなデザインの世界を探求します。
コロナ禍で大きな苦境に直面したホテル。グローバルな移動を前提としてきた都市型ホテルのあり方は転換を迫られました。そんな中、従来とは一線を画す、「時代の変化に適した新たなライフスタイルを提案する」ホテルが生まれています。クリエイティブ・ディレクターの岩佐十良さんをゲストに迎え、泊まる場から学びや体験の場へと変化を遂げるホテルを紹介。そのデザインコンセプトを通して、これからのライフスタイルを考えます。
コロナ禍は、雑多な方向に過剰にエネルギーを拡散させるような社会のあり方に反省を迫りました。デザインの世界でも今、整然とした空間で気持ちの良い暮らしに導くデザインに関心が集まっています。今回はデザインスタジオ「トネリコ」の米谷ひろしさん、君塚賢さん、増子由美さんをゲストに迎え、シンプルなインテリアから凛としたたたずまいの茶室や街の景観まで整然とした空間デザインの魅力を紹介。「整える」哲学を探求します
コロナ禍を経て、これまで当たり前と思われていた生活や社会のあり方が見直される中、身の回りの「過剰」を排し、「ミニマル=最小限であること」に価値を置く生き方が注目されています。日本では昔から、長屋や坪庭など限られた居住スペースで「豊か」に暮らす知恵が育まれてきました。今回は建築家の鈴野浩一さんをゲストに迎え、そんな知恵を現代にアップデートした「ミニマルライフ」の楽しみを伝えるデザインを紹介します
長期化するコロナ禍の影響で疲れやストレスを感じている人が多くなっています。そんな中、人の気持ちに寄り添い、安心させるようなデザインが注目されています。今回は、機能性を持たないペット型ロボットや、ユーモア溢れる贈り物、そして思わず笑顔になるサインデザインなどを紹介。ゲストにプロダクトデザイナーの根津孝太さんを迎え、思いやりや優しさを生み出す、これからのコミュニケーションのデザインを探求します!
モノを使い捨て、ひたすら消費してきた私たち。パンデミックや環境危機に直面する中で、モノと人との付き合い方の見直しが求められています。そのヒントになるのが、今回のゲスト、デザイン活動家のナガオカケンメイさんが提唱する「ロングライフデザイン」という考え方。昔から長く作られ続け、人々の暮らしの中で使われてきた物の価値を再発見するという取り組みです。時代を超えて人々に愛されるデザインの世界を探求します!
日本を代表するクリエイティブディレクター・佐藤可士和さん。その30年の軌跡をたどる展覧会が、国立新美術館で行われました。「デザイナーの役割は伝えるべき本質を見極め、可視化すること」という考えの下、有名企業のロゴデザインから、幼稚園、病院、地域産業まで、多種多様な分野でブランド戦略を手がけてきた佐藤さん。多彩な作品を巡りながら、そこに流れるデザイン哲学、そして可士和流「可視化」術に迫ります。
リモートワークやワーケーションなど、「働く事」と「暮らす事」の関係性が大きな変化を迎えている今、これまでのライフスタイルを見つめ直す人々が増えています。今回はゲストに、地場産業の復興を通して職人のものづくりと暮らしを結びつけるデザイナーの小林新也さんと、地域の自然環境を守るソーシャルなデザインプロジェクトを手がけるアートディレクターの廣瀬圭治さんを迎え、これからの時代のライフタイルを探ります。
地域の歴史と風土に根差したデザインを発見する旅、デザインハンティング。今回は訪れるのは、千葉県。三方を海に面した土地で温暖な気候は、12月に春の花が咲き始め、全国から観光客が訪れます。東京にも隣接するため、移住する人や多拠点生活を考える人からも注目されています。そんな千葉県で、新たなデザインの取り組みが生まれています。大らかな風土から生まれる自由で想像力豊かな千葉県のデザインをハンティングします!