ガザ停戦決議 アメリカが拒否権行使

NHK
2024年2月21日 午後4:02 公開

ガザ地区ではトラックの安全が確保されないなどとして食料など支援物資の搬入が滞っています。国連は200万人以上が飢餓に陥る危険があるとしています。

こうした中、国連の安全保障理事会では人道目的での即時停戦を求める決議案の採決が行われました。しかし、アメリカが再び拒否権を行使し、決議案は否決されました。望月麻美キャスターの解説です。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で2024年2月21日に放送した内容です)
 

・イスラエルの同盟国であるアメリカ

ガザ地区の人道危機が悪化の一途をたどる中、アメリカはまたも人道目的での即時停戦を求める決議案に拒否権を行使しました。アメリカはその理由について、「アメリカやエジプトなどが仲介して、戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が進んでいる」として、難しい交渉の行方を脅かすもので賛成できないと主張しています。
 

実際、ハマスは20日に声明を発表し、「ハマスのハニーヤ最高幹部がエジプトのカイロを訪れ、イスラエルとハマスの間で続く交渉に関して、仲介役のエジプト政府の高官と協議した」と明らかにしました。ただ、これまでの交渉では双方の隔たりは大きく、ハマスの最高幹部のエジプト入りで交渉が進展するかは依然として不透明です。
 

こうした状況の中で、アメリカも苦しい立場にあります。イスラエルの同盟国であるアメリカは、一貫してイスラエルを擁護してきました。しかし、ガザ地区での惨状を前に、バイデン大統領は2月8日、「ガザ地区で行われた対応は過剰だったと思う」と述べて、イスラエルによる攻撃は行き過ぎだとの認識を示しました。

さらに11日と15日に行ったネタニヤフ首相との電話会談では、「住民を保護するための計画なしにラファへの作戦を進めるべきではない」という考えを繰り返し伝えています。これは、いくら同盟国アメリカであってもイスラエルの対応をこれ以上は擁護できないという警告を、一段高めて表明したものと言えると思います。
 

・独自の決議案を提出へ

アメリカは近く、人質の解放を前提にした一時的な戦闘休止を求める独自の決議案を、国連安全保障理事会に提出する考えを示しています。あくまでも“一時的な戦闘休止”とすることで、イスラエルの支持をとりつけつつ、イスラエル軍のラファへの地上作戦は回避する目的です。
 

ただ、この決議案も先行きは不透明です。なぜなら、去年(2023年)10月、アメリカが提出した戦闘の一時的な停止などを求める決議案の採決では、ロシアと中国が拒否権を行使して否決され、同じことが起きる可能性があるためです。
 

ネタニヤフ政権は3月10日ごろに始まるイスラム教の断食月、ラマダンまでに人質を解放しなければラファへの地上作戦を行うと述べています。期限が刻一刻と近づく中、ガザ地区の人たちは行き場も無く、逃げ惑っています。
 

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