侵攻2年 苦境のウクライナ

NHK
2024年2月22日 午後4:42 公開

ロシアによるウクライナ侵攻から24日で2年。東部の要衝アウディーイウカからの撤退は、ウクライナにとって当初考えられていたよりも大きな打撃となっていることが明らかになってきています。望月麻美キャスターの解説です。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で2024年2月22日に放送した内容です)
 

・アウディーイウカ撤退の影響

イギリスのBBCは、アウディーイウカの南東方面で戦っていた複数のウクライナ兵の証言として撤退時の様子を伝えています。それによりますと、ウクライナ軍は数週間にわたって激しい防衛戦を続け、司令官に繰り返し撤退を求めましたが聞き入れられず、持ちこたえるよう指示されたということです。そしてようやく撤退命令が出たときにはすでに遅く、ロシア軍に包囲されていたと証言しています。
 

また、アメリカのニューヨーク・タイムズは20日、現地の兵士や欧米の当局者の話として「アウディーイウカからウクライナ軍が撤退した際、850人から1000人ほどの兵士がロシアの捕虜になったか、行方不明になっている恐れがある」と伝えました。そして、ウクライナ軍が兵員不足に苦しむ中で、多くの兵士を失えばさらに補充する必要が出てくるとしています。
 

ウクライナ軍は去年(2023年)6月から始めた大規模な反転攻勢の失敗、そして、侵攻開始以降、軍を統率してきたザルジニー総司令官の解任で、士気の低下が指摘されています。
 

こうした中で新たに兵士を補充するのは簡単ではなく、アウディーイウカからの撤退の影響がウクライナに重くのしかかっているのです。
 

・ロボティネへの攻撃を強めるロシア

一方のロシア軍は、このところアウディーイウカだけでなく多方面で攻撃を強めています。この図はニューヨーク・タイムズがまとめた戦況です。

赤い部分が2023年12月1日以降にロシアが掌握した地域で、アウディーイウカのほか、東部ドネツク州マリインカ周辺や東部ルハンシク州クレミンナ周辺などがあります。ニューヨーク・タイムズが、軍関係者や専門家の話としてロシア軍が特に攻撃を強めていると伝えているのが、南部ザポリージャ州ロボティネ周辺です。
 

ロボティネは、ウクライナ軍が2023年の大規模な反転攻勢で、8月、ロシア軍が築いた防衛戦を突破して奪還に成功した集落で、大きな成果とされました。
 

ウクライナはこれを足がかりに南下してアゾフ海に達し、ロシア本土とクリミア半島をつなぐ回廊を寸断することを目標としましたが、うまくいきませんでした。一方、ニューヨーク・タイムズによりますと、ロシア軍はロボティネを奪還されたあと、空挺部隊を含む3万から4万の兵士を集結させ、ウクライナ軍の要塞を突破してきたということです。さらに、アウディーイウカの戦闘に加わっていた兵士をロボティネ周辺に再配置する可能性もあると指摘しています。
 

軍事専門家は、欧米からの軍事支援の停滞で、ウクライナ軍はすべての前線でロシアからの攻撃に持ちこたえられなくなってきていると指摘しています。ウクライナはロシアによる侵攻の3年目を、非常に厳しい状況で迎えることになります。
 

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