フィリピン沿岸警備隊は、中国海警局が中国とフィリピンの間で領有権が争われている南シナ海の岩礁の周辺に設置した障害物を、特別作戦を実施して撤去したと発表しました。中国外務省は「中国は周辺海域に対して争う余地のない主権と管轄権をもっている」と主張しています。別府正一郎キャスターの解説です。
(「キャッチ!世界のトップニュース」で9月27日に放送した内容です)
・中国が2012年から実効支配
フィリピン沿岸警備隊の隊員が海中に潜り、中国海警局が設置していた障害物を撤去するためにロープを切った映像が公開されています。
現場のスカボロー礁はサンゴ礁や小さな岩からなる周囲およそ50キロの環礁です。豊かな漁場として知られ、フィリピンの排他的経済水域の内側にありますが、中国が2012年から実効支配を続けています。2016年の国際的な仲裁裁判の判断でも「中国がフィリピン人の伝統的な漁業権を侵害している」と認定されています。
今回のフィリピン側の行動に対して、中国側はけん制しました。
南シナ海では8月、今回のスカボロー礁とは別の場所で、フィリピン軍の輸送船や巡視船が中国海警局の船から放水銃を発射され、「活動が妨害された」として、フィリピンは、中国に抗議しています。
今回の障害物の撤去を受けた動きが注視されます。
―――――――――――――
■キャッチ!世界のトップニュース
放送[総合]毎週月曜~金曜 午前10時5分
※時間は変更の可能性があります。