ガザ地区病院 爆発 どのように起きたのか

NHK
2023年10月20日 午後4:12 公開

パレスチナ暫定自治区のガザ地区北部の病院で起きた爆発。ガザ地区の保健当局はこれまでに471人の死亡が確認されたとしています患者・スタッフのほか、退避できない多くの住民が身を寄せていたこの病院の爆発現場に、一夜明けた18日朝、イギリスBBCの記者が入り、惨状を伝えています。望月麻美キャスターの解説です。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で10月19日に放送した内容です)
 

・BBCは複数の見立てを伝える

大勢の市民が犠牲になったガザ地区の病院での爆発。1日たったきょうも衝撃が止むことはありません。爆発はどのようにして起きたのか。イギリスBBCは、現場の映像をもとに分析しています。17日午後6時59分に、中東の衛星テレビ局、アルジャジーラが捉えた映像では、ガザの上空に物体が飛しょうし、2回光ったあと方向を変えて爆発。さらに方向を変えて地上で爆発したとしています。

BBCは、爆発は、駐車場がある病院の中庭で起きたとみられるとしています。爆発後の現地の映像からは、激しく燃えた車や近くの建物の屋根が損傷しているのが確認できる一方、病院の建物には大きな損傷がみられないためです。また、地面にできたくぼみは比較的小さいため、爆発は大規模なものではなかったとしています。
 

当時、病院の建物には患者やスタッフなどおよそ600人がいた一方、中庭は退避する場所がない人たちおよそ1,000人であふれかえっていたということです。
 

BBCは、シンクタンクや大学など複数の専門家に取材し、ミサイルではなくロケット弾だったのでないかとか、中庭に誤って落下したロケット弾の破片に引火して爆発したのではないかなど、複数の見立てを伝えています。
 

・各国のメディアの伝え方にも違いが

では、飛しょう体の発射は誰によるものだったのか。ハマス側は「イスラエル軍の空爆だった」、イスラエル側は「ハマスとは別の組織『イスラム聖戦』が発射したロケット弾だった」と主張し、双方の主張は食い違っています。  

各国メディアの伝え方にも違いが出ています。

アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、「アメリカ政府や専門家たちは『イスラム聖戦』によるものだとしている」と伝えています。爆発が起きた現場の痕跡は、イスラエル軍が通常使用する爆発物やミサイルによってできるものではないという分析です。
 

一方、こちらは中東のアルジャジーラ。「『イスラム聖戦』によるものだというイスラエルの主張を多くの人たちが信じていない」と伝えています。その根拠としてアルジャジーラは次のように説明しています。
 

ネタニヤフ政権の補佐官がSNSに当初、「イスラエル空軍がガザ地区の病院にあるハマスの拠点を攻撃した」と投稿しましたが、その後、「ロイター通信の報道に基づいて誤った情報を投稿してしまった」として、もとの投稿を削除して訂正した経緯があったと指摘しています。
 

真相を究明するには独立した第3者による調査が必要ですが、激しい衝突が続く中、実現は極めて難しいとみられます。ただ、大勢のガザの人たちが犠牲になり、大惨事となった事実だけは残っています。
 

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