ニジェール 「テロとの戦い」で欧米の軍事基地が置かれている国

NHK
2023年8月1日 午後5:03 公開

アフリカで軍事クーデターによって政府が転覆され、ロシア寄りになる動きが相次いでいますが、とりわけ、今回のニジェールでの政変は欧米にとって影響が大きく、衝撃が広がっています。それは、ニジェールが、アメリカ、フランスの軍事基地が置かれていることが示すように、欧米による「テロとの戦い」で重要な国となってきたからです。別府キャスターの解説です。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で8月1日に放送した内容です)
 

・ニジェールにおける欧米の軍事基地の現状

まず、ニジェールにおける、アメリカとフランスの軍事基地の現状です。

アメリカ軍で存在が注目されているのが、北部のアガデスにある空軍基地です。アメリカの政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ」によりますと、1億1000万ドル(およそ150億円)かけて建設され、2019年に本格的に運用が始まりました。ドローンによる偵察に加えて、攻撃もここから行われていると見られています。

一方、フランス軍は、2020年にあったマリでのクーデターを受けて、去年(2022年)8月までにマリから完全に撤収してニジェールに部隊を移し、現在1500人規模で駐留しています
 

・サハラ砂漠でのテロとの戦い

こうしたアメリカとフランスの兵士は何をしているのでしょうか。

自国から遠く離れたアフリカのサハラ砂漠の一帯で、行われているのはイスラム過激派に対する軍事作戦です。この地域でのイスラム過激派の犯行としては、2013年、アルジェリア南東部の天然ガス施設を、過激派の武装勢力が襲撃し、日本人10人を含む40人が死亡した事件がありました。
 

事件を引き起こしたとされるベルモフタール容疑者が率いていた武装勢力は、事件前にマリ北部で潜伏。サハラ砂漠を移動しながら、高性能の武器を使って訓練を重ねていました。
 

当時、武装勢力を取材したモーリタニアの記者にインタビューをしたところ、「戦闘員たちは砂漠で自由に行動していた」と話していましたが、その後も状況は変わらないどころか、むしろますます悪化しています。中東に代わり、今ではサハラ砂漠の一帯こそが、テロとの戦いの主戦場のひとつになっています。
 

・“テロとの戦い”後退の恐れ

こうした中で起きた今回のクーデターは、影響が懸念されます。アメリカもフランスも、ニジェールでの軍事プレゼンスを高めてきましたが、仮に今後、軍事政権側によって、アメリカやフランスの部隊の動きが制限されるようなことになれば「テロとの戦い」が後退する恐れがあるからです。

クーデターの「ドミノ倒し」。ロシアの影響力の高まりだけにとどまらず、過激派との戦いにも影響する恐れをはらんだ、危険な動きが広がっています。
 

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