ウクライナ反転攻勢「1か月」 地形がウクライナ軍の前進を阻む

NHK
2023年7月5日 午後4:47 公開

ウクライナの反転攻勢が始まってからほぼ一か月。ロシアの防御を突破することの難しさが浮かび上がっています。別府キャスターの解説です。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で7月5日に放送した内容です)
 

・ウクライナ軍の動きが上空から丸見えに

反転攻勢がいつ開始したかについてウクライナ側はあえて曖味にしていましたが、ロシア国防省が、ちょうど1か月前の6月5日、前の日に東部ドネツク州でウクライナ側が大規模な攻撃を始めたと発表し、その後のゼレンスキー大統領の発言などから、6月上旬に始まったというのがおおかたの見方です。

ウクライナ国防省は、6月19日までに、ドネツク州や南部ザポリージャ州であわせて8つの集落を奪還したと発表しました。しかし、その後、目立った成果は発表されていません。
 

フィナンシャル・タイムズは、「1か月前に始まった反転攻勢で、ウクライナは、ロシアの強固な防御ラインに穴を開けることに苦戦してきた。ウクライナ軍が直ちに大きく前進するという、西側の一部が抱いていた期待はしぼんでいる」と伝えています。
 

では、何がウクライナ軍の前進を阻んでいるのでしようか。

ロシアが大量に設置している地雷や、何重にも掘られたざんごうに匹敵するほどの課題になっているのが、「地形」です。

ニューヨーク・タイムズは、衛星写真をもとに、ザポリージャ州でウクライナ軍がこのように平野や畑を進んでいると分析しています。開けた大地が広がっていて、ウクライナ軍の兵士や軍用車両が上空から、いわば丸見えになっているのです。
 

本来ならば、ウクライナ軍は戦闘機による上空からの支援を受けながら前進したいところですが、F16戦闘機の供与やパイロットの訓練は遅れています。平野にも、ところどころに林や森がありますが、そこにはロシア軍の兵士や戦車が待ち構えているような状況です。こうした中でウクライナ軍は少しずつ前進していくしかないものと見られています。

現状では、ロシア軍の防御がどこが弱いのかを探っている段階だとも言われ、今後、主力部隊が投入されるタイミングがやって来ると見られます。ウクライナ軍は、秋になり、雨の季節となって大地がぬかるむ前、夏の間にできるだけ進みたいところです。
 

反転攻勢が始まって、ほぼ1か月。
じりじりとした、厳しい戦いが続いています。
 

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