■PMSとは

PMSとは、月経の3日前~10日前にかけて発症する体と心の不調のことです。月経が始まるとともに治まっていきます。PMSと月経による不調を合わせると、長い人では1か月のうち2週間以上も症状に苦しむことになります。
■PMSの症状

PMSには、体にあらわれる症状と心にあらわれる症状があります。
体の症状には、腹痛、腰痛、頭痛、乳房の痛みや、おなかや乳房の張り、足のむくみなどがあります。めまいや吐き気、体重増加などがおこることもあります。
心の症状には、イライラ、気分の落ち込み、情緒不安定、攻撃的になる、涙もろくなる、集中力の低下などがあります。症状が強い人では、引きこもりや自殺願望がおこったり、家族など周囲の人に当たってしまうこともあります。
また、強い眠気や食欲が増える人もいます。
PMSのさまざまな症状には、女性ホルモン「プロゲステロン」が関わっています。プロゲステロンは女性の体を妊娠しやすい状態に整える働きを持っていて、排卵(月経の2週間前)に分泌量が増え、月経の直前になると分泌量が減っていきます。この変動によって、PMSのさまざまな症状がおこると考えられています。
■PMSのサイン

PMSの症状で悩んでいても、それが「月経に関連した症状」であることには気づきにくいといわれています。「ストレスのせい」「体調のせい」などと思い込みがちだからです。
このチェックリストに1つでも当てはまっていて、そのような状態が「月経前」におこっている場合は、一度婦人科を受診してください。心の症状が重い場合には、受診先として、婦人科だけでなく、精神科・心療内科も選択肢となります。
■PMSに使われる薬

PMSの症状を和らげるために、月経痛などの月経困難症がある場合には、低用量ピルが使われることがあります。ただし、低用量ピルには副作用がおこる可能性があり、血栓症のリスクもあるため、使用は必ず医師の指示に従ってください。
症状に応じた薬が処方されることもあります。たとえば、むくみがひどい人には利尿薬、痛みがひどい人に鎮痛薬などです。心の症状が重い場合には、抗うつ薬を月経前だけに使うこともあります。
漢方薬も有効とされており、その人の体質にあったタイプの漢方薬が処方されます。