【Monday BIZ】 アメリカ 「ブラックフライデー」 インフレの影響は?

NHK
2023年11月22日 午後4:33 公開

最新の世界経済の動きをお伝えする「マンデービズ」。

毎週月曜日に各国で取材にあたる特派員がピックアップ。マーケットが注目する今週の世界の重要イベントを深読みするコーナーです。

(「国際報道2023」で11月20日に放送した内容です)


【アメリカ】「ブラックフライデー」 インフレの影響は

今週24日の金曜日は「ブラックフライデー」。本格的な年末商戦がスタートしますが、長引くインフレの影響はあるのでしようか。

最大のかき入れ時を1週間後に控えたニューヨーク。飾りつけられたショーウインドーが訪れた人の目を楽しませていました。

インフレが続くアメリカですが―

小売業の売り上げは今月から来月にかけて去年の同じ時期より3%から4%増加すると予測されています。

世界経済にも影響を及ぼす、アメリカの個人消費の動向が注目されます。


【東南アジア】金利上昇で自動車販売が大幅減

金利の上昇を背景に東南アジアの主要国で、自動車の販売が軒並み落ち込んでいます。こちら、主要6か国の9月の新車販売。

去年の同じ月と比べて11.1 %減少しました。中でもベトナム、そして域内最大の経済規模を持つインドネシアの減少が際立っています。

各国はコロナ後のインフレと急速な通貨安を抑えるため、欧米に追随する形で利上げを続けてきました。

その影響で自動車ローンの金利が上昇したことが主な要因です。日本の自動車メーカーへの影響が懸念されます。


【中国】デフレ懸念再燃も “国民食”の豚肉が価格下落

国民食とも言われる豚肉の価格が下落。デフレ懸念再燃の1つの要因になっています。

中国の食肉消費の6割以上を占め、食卓に欠かせない豚肉。中国では国家備蓄の仕組みまであります。

去年秋以降、下落傾向に。

それで、デフレ懸念となるわけですが、もし、この傾向が続けば一。

養豚業者の経営が脅やかされることに加え、業者の廃業による供給不足で今度は価格高騰のおそれも出てきます。

中国政府は、ことし2度にわたって豚肉の買い入れを実施し、価格の下支えを図りましたが、今後も価格の動向に頭を悩ませることになりそうです。


【フランス】生産量世界一でも…ワイン大国に異変 農家が窮地に

ことし5年ぶりに隣国イタリアからワイン生産量、世界一の座を奪い返したフランス。

ところがその一大生産地で、ボトル4億本分にのぼるワインが余っているというのです。何が起きているのでしようか。

フランスを代表するワインの産地、ボルドー。

5世代にわたりワイナリーを営んでいる、エリック・エティエンヌさんです。数々の国際コンクールで受賞してきました。

しかし貯蔵庫を見せてもらうと…

「これらはすべて売れ残ったワインです。 3万リットルあります」

実はおととし、20年来の取引先から契約は更新できないと通告されたのです。背景にはフランス人のワイン離れがあります。

健康志向などからかつてのようにワインが飲まれなくなり、フランス全体の消費量は2021年までの15年でおよそ25%減りました。

これに世界的なコロナ禍が追い打ちをかけたのです。

エティエンヌさんは貯蔵しているワイン、タンク3つ分をエタノールの材料として売却することを決めています。

「おいしい。こんなおいしいワインを捨てないといけない。ショックな気持ちです」

「理不尽なことです。われわれが1年かけてワインをつくるのは誰かに飲んでもらうためであって処分するためではありません」

エティエンヌさんは来年、全体の10%にのぼるブドウの木を伐採することを検討しています。

栗原:エティエンヌさんの近隣のワイン農家の数はこの数年で半分以下に減少し、放置されたままの畑も少なくないということです。

安くたくさん作るという、従来の拡大路線は修正を迫られているようです。


栗原 望(「国際報道2023」キャスター)

これまでニュースウオッチ9やクローズアップ現代、ニュース7などでリポーター、キャスターを担当。2022年は、音声プラットフォーム企業で1年間研修。テクノロジーの未来、災害、人権などに関心を持つ。 

(この動画は5分26秒あります)