ウクライナ侵攻 “民間人の死者1万人を超える”(油井’s VIEW)

NHK
2023年11月24日 午後2:30 公開

ロシアによるウクライナ侵攻で、一般市民の犠牲が後を絶ちません。

(「国際報道2023」で11月22日に放送した内容です)


ウクライナで死亡した民間人の数が1万人を超えたと国連が発表しました。

「民間人の死者が1万人を超え、負傷者は1万8500人を超えた。ロシアが国連憲章と国際法に違反してウクライナに大規模な侵攻を始めて以降のことだ」

国連は、民間人の死者1万人のうち、子どもが560人以上と発表しています。さらに、これは確認された数字で実際の民間人の死者数ははるかに多い可能性が高いとしています。

また、国連は最近の傾向として「この3か月間犠牲になった民間人の半数近くは前線から遠く離れた場所にいた」と指摘。

ロシアが、「長距離ミサイル」や「自爆型の無人機」で都市部やウクライナ全土を攻撃の対象にしている結果、前線から離れた場所で民間人が犠牲になっているという見方を示しました。


酒井キャスター:その自爆型の無人機を大量にロシアに提供したと見られているのが、イランです。そして、アメリカ政府は、イランが新たにミサイルをロシアに供与する可能性があると指摘しました。

イランが9月にロシアのショイグ国防相を招待した際に、短距離弾道ミサイルを披露していたとして、弾道ミサイルを供与する可能性があると警告したのです。

油井キャスター:もし、ロシアがイランから弾道ミサイルを供与されウクライナで使用すれば、民間人の犠牲は、さらに急増するのは明らかです。

ウクライナには、今週、アメリカとドイツの国防相が相次いで訪問し、ロシアによるミサイルと無人機から民間人を守る防空システムを強化するための支援が打ち出されました

ロシアは、去年、本格的な冬の到来にあわせてミサイルと無人機でウクライナの電力インフラなどを攻撃、市民が電気や暖房を利用できないようにする作戦を続けました。

ことしの冬もロシアは同様の手口を繰り返すことが予想され、国連の高官は、「戦闘が激化する危険が迫っている。民間人への影響を最小限に抑えるため、緊急の対策を取らなければならない。世界的な課題と危機の中でも、国際社会はウクライナへの注力を維持しなければならない」と、対策の必要性を強調しています。

肝心のロシアですが、プーチン大統領は、先月、イスラエルによるガザ地区での軍事作戦について、「民間人の犠牲は決して認められない」と述べていました。

ウクライナで民間人の死者が1万人を超えたことをプーチン大統領は、どう受け止めているのでしょうか。


油井秀樹(「国際報道2023」キャスター)

前ワシントン支局長。北京・イスラマバードなどに14年駐在しイラク戦争では米軍の従軍記者として戦地を取材した経験も。各国の思惑や背景にも精通。
 

(この動画は3分8秒あります)