100分de名著

誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解く番組です

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トーマス・マン“魔の山” (1)「魔の山」とは何か

初回放送日:2024年5月6日

舞台はスイス・ダヴォースにある国際結核療養所「ベルクホーフ」。従兄ヨーアヒムを見舞うべくこの施設に滞在することになったハンス・カストルプがそこで見たものとは? 主人公ハンス・カストルプは、病と死の臭いが蔓(まん)延したこの施設の退廃的な雰囲気に翻弄される。日常とは異なった独特の時間が流れ、不意打ちのような事件が相次ぐこの「魔の山」は一体何を象徴しているのか。成熟の果てに、生と死の間で宙づりになった西欧の市民社会の行き詰まりが描かれている。第一回は、執筆背景にも触れながら、「魔の山」の時空の中に象徴的に表現されている近代社会の病弊と限界について考察する。

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