中江兆民“三酔人経綸問答” (1)なぜ問答形式なのか
初回放送日:2023年12月4日
「三酔人経綸問答」は立場が異なる洋学紳士、豪傑君、南海先生3人による問答形式で進む。なぜ兆民は、普通の論文ではなく、架空の人物三人による問答形式に書いたのか。 兆民が問答形式を選んだ背景には、当時の日本語の問題があった。叙述的な文章で語る日本語はまだ未成熟だったため、国家や政治についての思想的議論を行うのが難しかったのだ。そこで兆民は、人物が直に語る言葉=話し言葉という形式で、これらの問題を論じようと考えたのだ。第一回は、なぜこの著作が「問答形式」というスタイルで書かれることになったのか、その理由を探りながら、兆民が生み出した問答形式の魅力に迫る。
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