世界が注目する高校生レーサー・Jujuこと野田樹潤(のだ・じゅじゅ)選手17歳。7月、F1レーサーを目指す若手の登竜門「ユーロ・フォーミュラ・オープン」で女性として初めて優勝する快挙を成し遂げました。その強さの秘密はどこにあるのか?モータースポーツの大ファン、豊原謙二郎キャスターがその素顔に迫ります!(2023年8月27日放送)
豊原キャスター「ユーロ・フォーミュラ・オープンの話を伺っていきますけど、先日は優勝飾られたということで」
Juju選手「楽しく、すごく気持ちよく走っていました。チェッカーを切ったときは、実感がまだわかなかったですね。すごくこの勝利は大きいなと思います」
今シーズン挑んできたのは、F1の2つ下、F3と呼ばれるカテゴリー。並み居る男性レーサーとしのぎを削ってきました。
Juju選手「今年はすごく冷静にレースができているなって感じます。それが今回の勝利につながった」
勝利のカギだったという“冷静なレース運び”。象徴的なシーンがありました。5番手で先頭を追っていたレース中盤。目の前で2台がクラッシュするアクシデントに直面しますが…。
Juju選手「別にそこで焦るというのはなかったですね。ここでうまく抜ければ前にでられるな、普通に走ればいいなって」
クラッシュの直後、ほかの車が動揺した隙に2位まで順位を上げます。
そして…
実況(英語)『Juju Nodaがトップに立ち全員を抜き去った!』
Juju選手「自分でもすごく冷静に判断できていたかなと思います。私の前の車もミスというか、膨らみすぎるなかでしっかり合わせていって、気づいたらトップに立っていましたね」
その“冷静さ”を生み出しているのが、最先端のシミュレーターを使った訓練です。精密に再現されたサーキットで、様々なレース展開をイメージ。理想の走りを追究してきました。
Juju選手「本当に時間があればずっとやっている、6時間とか。練習すればするだけ自分の力になってくると思います」
F1レーサーだった父・英樹さんの影響で幼いころからレーサーを目指し、練習を重ねてきたJuju選手。その中で磨かれていったのが“動体視力”や“視野の広さ”です。
光るボタンを即座に押すトレーニングをするJuju選手。
Juju選手「54(回)だ」
30秒で54回。プロボクサーに匹敵するスコアです。
豊原キャスター「すごい。1秒間に2回近く押しているってことでしょ」
ちなみに豊原キャスターは…。
豊原キャスター「え、わからない。これ絶対見えない!ここ(下のほう)とか見えます?」
Juju選手「見えます」
豊原キャスター「すごいですね。全然わからない。どこがついているかわからなかったです」
※豊原キャスターは26回でした。
状況を瞬時に把握し、反応する力。そして、イメージトレーニングで鍛えた“冷静なレース運び”。フォーミュラカーの世界に新たな歴史を刻んだ17歳は、これからどんな未来を描こうとしているのでしょうか。
Juju選手「まだまだモータースポーツは男性社会。もっともっと女性が本来の力を発揮できるような環境になるきっかけになればと思います。自分自身、トップカテゴリー(F1)に出て活躍できるドライバーになりたいなと思っていますし、私を見てワクワクして、一緒になって楽しんでもらえるような走りができたら一番いいなと思います」
中川キャスター:夢にまっすぐに向かう姿、見ているだけでもワクワクしますよね。
藤川球児さん:勇気がいるスポーツじゃないですか。それを彼女がやること、あとは17歳という若さ、どんどん同世代の仲間に勇気やパワーを与えてほしいです。すごく力強かったです。
伊藤キャスター:Juju選手は、現在はヨーロッパに戻り、9月から始まるシーズン後半に向けて準備を進めています。『楽しみながら、先につながるレースをしたい』と話していたということで、夢のF1レーサーを目指す挑戦、今後も目が離せません。