軍港の子〜よこすかクリーニング1946〜

空襲で母親を亡くし、戦後の横須賀でクリーニング店を営む親戚の家に引き取られる。親戚との暮らしになじめず家を飛び出し、他の孤児たちと一緒にクリーニングの技術で懸命に生き抜こうとする。

フィリピンで母と姉を失い、日本に引き揚げてきた。街娼(がいしょう)の家に出入りし、アメリカ兵の闇取引を手伝うことで日々の糧を得るたくましい少年。

裁縫が得意で、責任感の強い少女。幼い子供たちの面倒をよく見る、孤児たちの母親がわり。

孤児たちをまとめあげクリーニングの仕事を軌道にのせようと奮闘する、子供たちのリーダー。

明るく妹思いなムードメーカー。父親仕込みの料理の腕を振るい、孤児の仲間たちを元気づける。

現実主義のしっかり者。生き延びるために自分の意見をはっきりと言い、今日一らと対立することも。

今日一の孫。都内に住む大学生。祖父である今日一が、戦争体験者であったことをほとんど知らずにいた。祖父の死をきっかけに、その人生に興味を持つ。遺品整理に訪れた母・貴子から、祖父・今日一が体験した“戦争”を知る。

誠司の父。商社勤務で海外赴任が多く、一家でフィリピンのダバオで暮らしていた。現地召集され兵役につき、家族と離れ離れになっていた。

横須賀にあるクリーニング店の店主。今日一の母・良枝の叔父。 身寄りのない今日一を引き取るが、川合家の４人の子供たちを育てるだけで精いっぱいで、苛立ちをぶつけてしまう。

戦場で左足を失った後に復員した元軍人。横須賀の闇市にたびたび現れる。 部下たちを戦場で失い自分だけが生き残ってしまったことに罪悪感を抱え、価値観が変わってしまった戦後の日本で居場所を見つけることが出来ず、苦しみ続けている。

空襲で親兄弟を亡くしており、自分を知る者がいない横須賀を選び米兵相手の娼館で働いている。親を亡くした孤児たちの身の上を案じ、今日一たちの面倒を見るようになる。誠司を２階に住まわせている。

今日一の母。横浜で今日一の父とともにテーラー（洋服の仕立て屋）を営んでいた。 今日一の父は戦争に行ったまま戻らず、着物をモンペに仕立て直すなど細かい仕事で生計を立てる。横浜大空襲の日、避難の途中で火災に巻き込まれる。