The Crossroad なかやまきんに君さん

NHK
2023年6月5日 午後4:59 公開

今日のゲストは
「どうもー!
なかやまきんに君でーす!
パワー!」
大ブレーク中のなかやまきんに君。
筋肉ルーレットなど
鍛え上げた肉体を駆使したネタで、
子どもから大人まで大人気です!
「ヤー!」
なかやまきんに君の、
人生の分岐点を語ってもらいます。
聞き手は佐藤俊吉アナウンサーです。

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佐藤:「とにかく去年は
流行語にもノミネートされましたし、
第2のブームが来ているのではないかなと
勝手に思っているのですけれども。」

きんに君:「おい、俺の筋肉。
さあ、第2のブームが来ていると
言われているけれども、
感じているのかい?感じていないのかい?
どっちなんだい!?
感じてる!パワー!」

佐:「ありがとうございます!
いやもう感動です。(拍手)」

き:「いや、そんな拍手までいただきまして。
僕はデビューして
今23年ぐらいたつんですけれども、
本当に1年目から
タンクトップで短パンで筋肉で、
パワーとかヤーとか言っていたんですよ。
なので『何がきっかけ?』と言われたら、
僕も聞きたいぐらいなところは
ちょっとあるんですよ。」

■そんな、きんに君の人生の分岐点とは…

き:「デビューして7~8年たった頃に
“筋肉留学”と言いまして、
日本での芸能活動を一時休みまして、
アメリカ・ロサンゼルスに行ったことが
あったのですけれども、そこは、
かなりの分岐点だったのかなとは思います。」

佐:「筋肉留学が何だったのか、
よく分からないのですけれども…」

き:「筋肉留学という言葉が強すぎて、
もう何だったのだろうという感じだと
思うのですけれど。
僕、高校3年生からウエートトレーニング、
ボディービルのトレーニングを
始めているのですけれども、
そのときの(筋トレ)雑誌に、
アメリカの西海岸、ロサンゼルス辺りの
筋トレ情報が載っているんですよ。
世界中のボディービルダーが集まってくる。
いつかここに住んでみたいと思ったのが、
その理由の一つ。」

■デビュー以来、
筋肉ネタ一筋で歩んできたきんに君。
留学の裏には、
自分の芸に対する不安もあったと言います。

き:「3~5年後、
いい仕事ができているかなとか、
今ぐらい活躍できるのかなということを
常に思っていたんですよ。
もうこのキャラクターですから、
どうやったらいいんだと
暗中模索みたいな感じですよね。」

■27歳のとき、アメリカに渡ったきんに君。
何かを掴もうともがきながら、
日々筋肉トレーニングに打ち込みました。
そして2年後、
体づくりの専門知識を極めるため、
現地の大学に入学。
猛勉強を始めます。

き:「朝3時ぐらいまで勉強して6時に起きて、
3時間くらいの睡眠でまた一日中勉強して。
それがずっと繰り返されていたので、
これぐらい頑張らないといけない
という思いはありました。」

■そんなある日、買い物中の出来事が、
きんに君の迷いを消し去ることになります。

き:「レジですごく人が並んでいたんですよ。
レジを打っている人を見たら、
ダンスをしながら『フー』とか言いながら
♪ピッ『フー』ってやっていたんですよ。
あ、これで遅れているなと思って。
え、もっと真面目に仕事しろと
日本人の感覚で思っていたんですよ。」

佐:「思っちゃいますよね、はい。」

き:「で、後ろにいるアメリカ人の男性に
『レジの人見てよ。
ダンスしているからこれだけ並んでいるよね』
と話したら、
そのアメリカ人の男性がハッと笑って
『いや、彼あんなにダンス楽しんでいるから、
きょう誕生日じゃないか?』
とかって言ったんです。
その時に全然違う感覚、考え方があるんだ
と思って。
考え方の幅が広がった、
これはすごく大きなことだと思います。」

■小さなことに囚われていた自分自身に、
このとき、きんに君は気付いたと言います。

き:「アメリカへ行く以前だったら、
例えばネタをやってスベりました。
で、それをすごく気にしたりとか、
『もうちょっとこうしたほうが良かったかな』
と悩んでいたと思うんですけども、
いろいろな考えがあるなと思ったら、
ウケるときもあるし、失敗するときもあるし、
たまたまきょうはスベったんだと。
そうやって言い聞かせて、
一日ぐらいいいじゃないか。」

■迷いを払拭し、帰国したきんに君。
2011年から、日本での活動を再開しました。
アメリカで身につけた知識を基に、
トレーニングや食事法などを伝える
動画チャンネルを開設。
これが大人気になりました。
きんに君は、お笑いに加えて、
大きな武器を手に入れたのです。

佐:「しっかり考えて
一つのことを長く続けられる、
ボディービルもそうですけれども、
続けられる要因は何ですか?」

き:「いやー、そうですね。
本当にありきたりな答えになりますけども、
やはり好きだから、ということなんですかね。
あれ?先週は上がらなかったものが
きょう上がったじゃないかという
このちっちゃい結果が出たときに、
純粋にうれしかったんですよ。
できなかったことができるようになる、
その連続のような気がしますね。」

佐:「それはお笑いに関しても
やはり同じなんですか?」

き:「お笑いに関しては…
それはあんまりないんですけれど。」

佐:「あれ?そうなんですか?」

き:「お笑いは、あんまり分からないんです。」

佐:「難しい世界なんですね。」

き:「だからこそ、
お笑いの筋肉は成長しておりません。
そういう悩みもありますが、いいじゃないかと。
はい!」