The Crossroad 田中卓志さん

NHK
2023年11月8日 午前11:55 公開

今回のゲストは…
レギュラー番組10本以上。
今やバラエティー番組に欠かせない
田中卓志さん。
しかし、かつて、テレビの世界から
逃げ出したくなった時期があったと言います。

田中:「いっそ仕事がなくなったほうが
まだいいぐらい。
精神的にちょっときついな
という状況になったんですよ。」

そんな田中さんを窮地から救った、
意外な人物とは…?
聞き手は佐藤俊吉アナウンサーです。

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■田中さんは、今年8月エッセー集を出版。
その中にプロポーズの言葉が綴られていました。

佐藤:「結婚生活はどうですか?」

田:「はは、今のところは大丈夫ですね。」

佐:「今のところ?」

田:「いや、もう本当に優しくしていますね。」

■田中さんが、お笑いコンビ
アンガールズを結成したのは
24歳のときでした。
独特の脱力系コントが話題になり、
2人は大人気になりました。
それをきっかけに、
トークバラエティーなどにも
引っ張りだこになっていきます。
しかしそんな中、田中さんは、
人知れず悩みを抱えていました。

田:「ネタのときはウケるんですけど、
やはりトークとか、
いろいろなことをやることになるじゃないですか
急に、やったこともないことを。
それでスベって。
俺らがテレビに出始めたときって
ちょっと地味な感じで
モジモジしてやっていたんですよ、
それがまあ良さだったんですけど。
アンタッチャブルさんが
すごいテンション高くやってウケていたから、
ああいう感じで俺らもやらなきゃいけない。
次はアンガールズの出番となったとき、
ワーッてやったらみんな引いちゃって。
みんな『えっ』って、
すごいスベった記憶があるんですよ。」

■田中さんは、
負のスパイラルに陥っていきます。

田:「ジャンガジャンガをやって、
人気だけはあったから、
次の仕事はすぐ来る、そこでスベる。
で、また次の仕事来る、スベる
みたいなことの繰り返しで、
いっそ仕事がなくなったほうが
まだいいぐらい。
もうきょうスベるなというのが
朝起きたときに分かるみたいな状況が
来てしまって、
精神的にちょっときついな
という状況になったんですよ。」

■追い詰められた田中さん。
そのとき手を差し伸べたのは、
意外な人物でした。

田:「雑誌の対談で
『誰と対談したいですか?』
と言われて、誰でも選べるなら、
蛭子能収さんの漫画が大好きだったので、
蛭子さんと対談してみたいですと。
(対談)しているうちに、
『今こういう状況で毎日スベって、
精神的にきついです』
という話をしたら、
蛭子さんがちょっと考えて、
『世の中の人
そんなに人のこと興味を持って見てないから、
田中くんのことも誰も見てないよ』
と言われたんですよ。
結構ひどいことを言うなと思ったんですけど、
すっと肩から重みが消えたというか
軽くなった感じがして。」

■笑いを取りたいと無理をしていた田中さん。
蛭子さんの一言で考え方が大きく変わりました。

田:「急におもしろくなることなんて
できないんだから、
今言えるコメント、
ロケとか行っても今できる食レポのコメント、
今の自分の実力の中でできることをまずやろう
という気持ちに変えてもらったというか。」

■田中さんは背伸びせず、
自然体で仕事に取り組むようになりました。
そのことで、
次第に自分の持ち味を発揮していきます。

田:「(ネプチューン)堀内健さんが
生放送中に、やったこともないのに、
『田中、カニのバケモノできるんですよ』
みたいなことをいきなり言ってきたんですよ。
生放送で言う?っていう。
もうとっさの判断でやったら、ウケて。」

佐:「ちょっとカニってどんなのか…」

田:「そんなわざわざやることじゃないですよ、
こうやって、これだけのことですよ。

タカアシガニっていう
世界最大級のカニがいるんですけど、
このフォルムがおもしろかったらしくて。
俺の手足の長さとリンクして、
ちょうどタカアシガニみたいに見えたのか、
ある意味代名詞みたいな感じのものを
もらったというか。」

佐:「すごい今の語りぶりなんか、プロの…」

田:「『プロフェッショナル 仕事の流儀』で
やってもらったほうがいいかも。」

■押しも押されもせぬ存在となった田中さん。
蛭子さんのあの言葉が支えになったのです。

佐:「もしもその分岐点、
蛭子さんのお言葉がなかったら?」

田:「きついなとなって、
いろいろな仕事が手につかなくなって、
辞めているかもしれないですね、芸人を。
たぶんそこまでもたなかったと思います、
メンタルが。」

佐:「じゃあ恩人なんですね。」

田:「恩人ですね。
その分岐点がなかったらと思うときは
今でもたまにありますからね。」