時代劇の都、京都・太秦を舞台に描く、ヒロイン美月の映画人生。
梓(茂山逸平)のアパートに食料を持ってきた美月(岡本綾)が梓と一緒にアパートを出ると、もみじ(三田篤子)とすれ違う。梓の隣の部屋に住んでいるのは錠島(長嶋一茂)だった。家で美月が愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に梓のことを話していると、いとこのリチャード(トロイ)が訪ねてきた。リチャードは春夫の兄の息子で、ベトナム戦争従軍中に、休暇で日本に来たのだった。リチャードは椿屋で日本文化に触れ…。
河原で錠島(長嶋一茂)に抱きしめられた美月(岡本綾)。錠島は、「人を信じない。」と言って去る。ボーっとして帰ってくる美月に愛子(賀来千香子)が声をかける。母親の勘で美月に好きな人が出来た、と気づく愛子。滝乃(大竹しのぶ)の様子が気になって、美月が部屋に話に行くと、滝乃にはギリギリ気づかれなかったようだった。黒田(國村隼)は杉本(堺雅人)を呼び出し、テレビシリーズの監督を打診するが、杉本は断り…。
「無頼人」はヒットせず、美月(岡本綾)たち専属俳優は自宅待機となった。美月の大学を休学扱いにしていた滝乃(大竹しのぶ)は喜ぶが、美月は愛子(賀来千香子)に、休学のことを知ってたのか、と問い詰める。黒田(國村隼)は椿屋に幸太郎(佐々木蔵之介)を呼び出し、役員扱いで大京映画にとどまってくれるよう頼むが、幸太郎はもう映画にはこだわらない、と断る。黒田は大京映画の役職員を集めて、テレビ界に打って出ると…。
大京映画の運命がかかった超大作「無頼人」のクランクアップの日。黒田社長(國村隼)に言われて、美月(岡本綾)は幸太郎(佐々木蔵之介)に花束を渡す。記念写真を撮ろうと一同スタンバイしていると、スーツ姿で幸太郎が現れ、大京映画を辞めると宣言する。カツドウ屋では、大部屋俳優たちとスタッフの打ち上げが開かれて、杉本(堺雅人)は大京映画の存続は「無頼人」にかかっている、と言う。美月は完成した映画を見て…。
カツドウ屋で錠島(長嶋一茂)に美月(岡本綾)が声をかけようとすると、晋八(仁科貴)が帰ってきて、錠島に声がかけられない美月。帰っても様子がおかしい美月に対して滝乃(大竹しのぶ)は、美月に好きな男でもできたのかと愛子(賀来千香子)に相談する。翌日、撮影が終わって、お茶を出すと、いつもと反応が違うもみじ(三田篤子)たち。帰りがけに編集室を覗いた美月は杉本(堺雅人)に「無頼人」はどう思う、と聞かれて…。
美月(岡本綾)が通りかかるのを待ち伏せていた晋八(仁科貴)と出勤し、一緒に大部屋の掃除をしながら美月は晋八から錠島(長嶋一茂)の経歴を聞く。衣裳部屋から戻り、支度をしていると、幸太郎(佐々木蔵之介)の部屋に呼び出される。幸太郎は「無頼人は当たると思うか?」と聞き、美月は「質は高いと思う」と答える。出て行こうとする美月に、「この映画もあとわずか。幸太郎の芝居、しっかり焼き付けておけ」と言い付ける。
倒れて、錠島(長嶋一茂)の部屋で目覚めた美月(岡本綾)。錠島の部屋から出てきたところを晋八(仁科貴)が目撃する。美月が家に帰ると、滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)が質問を浴びせるが、美月は答えずに、疲れたと言って部屋に籠もる。晋八は大部屋に駆け付け、大部屋で一人夜を明かした錠島に、美月に何をした、どうして美月を助けた、と詰め寄る。錠島は、くだらないいたずらで映画を壊す奴が許せない、と答える。
錠島(長嶋一茂)のおかげで、失敗せずに済んだ美月(岡本綾)。疲れ切って椿屋に帰ると、熱を出して倒れてしまう。カツドウ屋では、もみじ(三田篤子)たち大部屋俳優が、なぜ、錠島が美月を助けたのかと騒ぎ、今から追加シーンの撮影があるからと、電話で美月をだまして撮影所に呼び出す。滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)が止めるのも聞かず出ていく美月。誰もいないので俳優会館に行くと、そこでは錠島が一人で…。
椿屋の前で、「オードリー」と呼ばれた美月(岡本綾)。撮影所で大部屋俳優たちからオードリーと呼ばれてからかわれるが、杉本(堺雅人)だけは、「いいじゃないか」と肯定的だった。愛子(賀来千香子)は関川(石井正則)から美月のイジメの様子を聞くが、途中で滝乃(大竹しのぶ)が声をはさみ、電話を切られてしまう。無頼人の撮影が始まり、夜中まで見学して帰る美月に、「うどん食ってかないか?」と杉本が声をかけて…。
大京映画の超大作「無頼人」のキャストが発表され、美月(岡本綾)はセリフは一言だが「役付き」に抜てきされる。新入りの美月が選ばれたことに複雑な思いの大部屋俳優陣。美月は帰って、愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に役の説明をする。滝乃(大竹しのぶ)は黒田(國村隼)に、抜てきした真意を聞く。黒田は、これで大部屋連中のイジメがエスカレートして耐えられなくなった美月は滝乃の望み通りやめるだろう、と言うが…