ウクライナ侵攻3年目 今後の戦況は

NHK
2024年2月27日 午後6:40 公開

北欧スウェーデンのNATOへの加盟が決まり、西側が安全保障の強化だとする一方で、NATO加盟をいわば悲願とするウクライナでは、ロシアの軍事侵攻が3年目に入り、いっそう厳しい情勢となっています。いうまでもなく軍事侵攻は今すぐにでも終わるべきことですが、現状では、さらなる長期化が避けられない情勢です。

今後の戦況はどのようなものになりそうなのか。各国メディアの報道やウクライナの軍事問題の専門家へのインタビューから、「侵攻3年目のシナリオ」を別府正一郎キャスターが読み解いていきます。

(「キャッチ!世界のトップニュース」で2024年2月27日に放送した内容です)
 

・東部の戦線

まず、当面の焦点は「東部の戦線」です。ウクライナ軍は、2月17日までに東部ドネツク州の要衝アウディーイウカをロシアに掌握され、撤退しました。その後もロシア軍は攻撃を続けていて、26日には、アウディーイウカのさらに西にある集落も掌握したと発表しました。

イギリスの「エコノミスト」は、「ウクライナ東部の町では、ロシア軍の次の標的になることへの恐怖が広がっている」と伝えています。ウクライナ軍にとって、東部での防衛ラインの構築が当面の大きな課題となっています。
 

・ロシア軍攻撃を強化か

こうした中で、ウクライナ全体で言えば、軍事問題の専門家のムシエンコ氏はインタビューで、アウディーイウカの西方に加えて大きく3か所でロシア軍が攻撃を強化してくる恐れがあると指摘しました。具体的には、東部ハルキウ州のクピャンシクドネツク州のバフムトの西方、それに南部ザポリージャ州のロボティネです。

このうち、クピャンシクは2022年9月の反転攻勢で、またロボティネは2023年の反転攻勢でウクライナ軍が奪還しました。このため、ロシア軍は再び占領を試みると見られるということです。また、バフムトは2023年5月にロシア軍が掌握し、そこからさらに攻め込もうとすると見られるということです。

その上で、ムシエンコ氏は、次のように分析しています。
 

別府キャスター: 戦況における2024年のシナリオは?

ムシエンコさん: ことしの前半は「防衛」だ。最大の目標は、ロシア軍の攻撃を食い止めることだ。それと共にロシア軍の補給路を破壊する。ことしの後半は西側の支援にかかっている。F16戦闘機、長距離ミサイル、砲弾などが十分に供与されれば、小規模な反転攻勢に出ることもありえる。
 

・ウクライナ側は追い込まれる形に

こうした分析をもとにまとめると、侵攻の1年目が「反転攻勢」、2年目が「こう着」だったとすれば、3年目は「防衛」の年になりそうで、ウクライナ側はいっそう追い込まれる形になることが懸念されます。
 

ゼレンスキー大統領は、ロシア軍がことし(2024年)5月にも大規模な攻撃を仕掛ける準備を進めているとして警戒を呼びかけました。ウクライナがこれ以上攻め込まれるのを防ぐことが出来るのか、ウクライナ支援でNATOの結束がこれまで以上に問われることになります。
 

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