3週間お休み中の「青春アドベンチャー」、8月29日(月)から放送の『軽業師タチアナと大帝の娘』のキャスト全13名の皆さまからのメッセージを連日お届けしています。
今日は物語の導入部で主人公タチアナの運命を大きく変えることになるビロン公爵を演じていただいた川口竜也さんです。
【川口竜也さん メッセージ】
3作目の青春アドベンチャー、毎回、声だけで人物を演じることの楽しさと難しさを感じて、とても勉強になります。この面白さを教えていただき感謝に堪えません。今回はロシアの物語です。この時勢にロシアの話をやるということの意味を考えて聞いていただけたら幸いです。
お楽しみに!
絶大なる権力を振るった実在の人物、ビロン公爵を、張りのある重低音ボイスと濃厚なお芝居で、まさに黒光りするような“The・敵役”として造形して下さいました。ご参加のたび、声で役に命を吹き込むことを楽しみながら、登場人物をチャーミングに立ち上げて下さいます。
亡きピョートル大帝の姪にあたる時の女帝アンナ・イヴァノヴナが政治に興味を持たず、ドイツから連れてきた愛人のビロン公爵に任せきりにしているため、ビロンはロシアの事実上の独裁者として権勢と財産をほしいままにし、自分にとって都合の悪い人物を次々とシベリア送りにしている……というのが、物語の始まりの時点の時代背景です。
いわゆる“ネタバレ”を厳密に避けたい方は、ネット検索などで実在人物のことを調べると物語の展開にかかわる史実に触れてしまうことがあります。時代ものを楽しむ際に、どれくらい「予習」するかは、常に悩ましい問題ですが、ロシア帝国の大状況を概観していただける格好の動画があります。
今回のドラマで描かれるのは、動画に出てくる世界史上の著名人ピョートル大帝(在位:1682 - 1725)と女帝エカチェリーナ2世(在位:1762- 1796)の間の時代です。主人公の軽業師タチアナは架空の人物ですが、ビロン公爵(川口竜也さん)、アンナ女帝(塩田朋子さん)、アンナ・レオポルドヴナ(愛月ひかるさん)など、何人か歴史上の実在人物が登場するわけです。
『軽業師タチアナと大帝の娘』キャストボイス、次回は栗原英雄さんからのメッセージをお届けします。
『軽業師タチアナと大帝の娘』(全15回)
~陶酔に身を委ね、大地に渦巻く精霊たちの力を借りて跳べ!~
【NHK FM】
2022年8月29日(月)~9月2日(金)午後9時15分~午後9時30分(1-5回)
2022年9月5日(月)~9月9日(金)午後9時15分~午後9時30分(6-10回)
2022年9月12日(月)~9月16日(金)午後9時15分~午後9時30分(11-15回)
【出演者】
朝夏まなと 野々すみ花
藤岡正明 渡辺大輔 愛月ひかる 石川禅
上口耕平 栗原英雄 川口竜也 塩田朋子
桜咲彩花 廣田高志 大河原爽介
【作】
並木陽
【音楽】
日高哲英
【スタッフ】
演出:藤井靖
技術:浜川健治 林晃広
音響効果:今井裕 柴田なつみ 横山健太
【あらすじ】
18世紀ロシア。亡きピョートル大帝が西への窓を開き、新たな風を取り入れようと築いた都ペテルブルク。急速な西欧化の一方でロシアの伝統を蔑ろにした暴政に対する不満も燻っていた。そんな世相もどこ吹く風、黒革の仮面で顔を覆う軽業師タチアナの陽気な口上が響く。「紳士淑女の皆様、太陽の沈まぬ夏の夜のつれづれに、この一時はあらゆる憂いを忘れ、我らが妙技に酔いしれられませ!」
古い技を受け継ぐ芸能者スコモローフの末裔が、腐敗した権力者の気まぐれから思いがけない危機に陥り、人々との出会いを重ねながらシベリアと帝都を股にかけた冒険を繰り広げ、やがて陰謀渦巻くロマノフ朝の中枢に関わっていくグランドロマン。