橿原市長選挙 自民VS維新“総力戦”の果てに

NHK
2023年11月14日 午前11:56 公開

10月22日に投票が行われた橿原市長選挙。

現職と元市長の一騎打ちとなった選挙戦の結果、現職の亀田忠彦氏が2度目の当選を果たしました。

4年前の前回の選挙と全く同じ顔ぶれでの戦いとなりましたが、今回はそれぞれを支援する政党の争いという一面もありました。

(寺井康矩 記者)

亀田忠彦氏(無・現)

亀田氏は、前回と同じ無所属で自民党の推薦を受けました。

出陣式には、奈良県内の市町村長や元デジタル大臣で自民党の牧島かれん副幹事長が応援に駆けつけました。

自民党・牧島かれん副幹事長

「自民党を挙げて亀田市長の再選を目指している。自民党本部としても、最後まで皆さんと一緒に戦い抜きます」

森下豊氏(維新・元)

森下氏は、前回は無所属でしたが、今回は日本維新の会の公認で立候補しました。

告示日には、日本維新の会の共同代表を務める大阪府の吉村洋文知事や奈良県総支部代表を務める奈良県の山下真知事が支援を呼びかけました。

山下知事

「日本維新の会奈良県総支部の総力を挙げた戦いだ。私も公務の合間を縫って選挙に入ります」

両党とも重要な選挙と位置づけた今回の橿原市長選挙。

有権者はどのように判断したのでしょうか?

NHKは投票が行われた22日、有権者の投票行動や政治意識を探るため出口調査を行いました。調査は市内8か所の投票所で投票を終えた有権者1354人を対象に行い、75.7%にあたる1025人から回答を得ました。

ふだん支持している政党について尋ねました。

▼自民党が30%と最も多く、次いで▼日本維新の会が24%などとなっていて、▼特に支持している政党はない、いわゆる無党派層が29%でした。

大きくわけて自民、維新の支持層と無党派層に分かれる結果になりました。自民と維新がそれぞれの候補に公認や推薦を出した今回の選挙では、無党派層がどちらの候補に投票するかが勝敗を大きく左右することになります。

次に、それぞれの政党の支持層が誰に投票したのか。

現職の亀田氏は、推薦を受けた自民党の支持層の70%台半ばから支持を得ました。

一方、元市長の森下氏は、今回公認を受けた日本維新の会の支持層の60%台後半から支持を得ました。

それぞれ公認や推薦を受けた政党の支持層から一定の支持を受けたことがわかります。

そして「特になし」の無党派層では、亀田氏が50%台半ば、森下氏が40%台半ばと、亀田氏が過半数の支持を得ました。

自民が推薦した亀田氏が、維新の森下氏より多くの無党派層の支持を集めました。

奈良県内では、ことし4月の統一地方選挙で、大阪以外では初の維新公認の知事が誕生しました。

さらに河合町長選挙でも県内の市町村で初めて維新の候補がトップとなりました。

今回の橿原市長選挙では、森下氏は市長の退職金を受け取らないなどの「身を切る改革」というスローガンを掲げて立候補しました。

これを山下知事が県総支部の代表として全面的にバックアップ。

しかし、自民党が推薦した亀田氏に敗れました。

選挙の結果を受けて、山下知事は肩を落として述べました。

山下知事

「首長選挙は議員選挙と違って党の勢いだけではなんともならない。維新は統一地方選挙では躍進したが、まだまだ力不足の政党だと改めて思い知った」

選挙戦では、橿原市役所本庁舎の整備についても論戦が交わされました。

橿原市役所本庁舎

昭和36年に建てられ、建設から62年が経ち老朽化が進む本庁舎。

耐震基準が満たされておらず、震度5強以上の地震で倒壊するおそれがあります。

来年解体することがすでに決まっていますが、その後の整備をどう進めるかはまだ決まっていません。

選挙戦で2人は次のように訴えました。

森下氏

「市役所本庁舎を現在の場所で速やかに建て替える」

亀田氏

「分庁舎の建設にすでに多額の公費が投じられていることから、公費での本庁舎建て替えは原則行わず、解体した後は民間の力で複合施設を建てて本庁舎機能の一部を戻す」

当選後、亀田氏は改めてみずからの主張を進めていく考えを示しました。

亀田氏

「この4年間の大きな課題だったのが本庁舎の建設だ。必要のないものに税金を投入しないという考え方を有権者に理解していただいて当選したと思っている。次の4年間は子育てや教育、高齢者福祉に必死に取り組んでいきたい」

人口約12万人の奈良市に次ぐ「県内第2の都市」と言われる橿原市のトップを決める選挙で再選を果たした亀田氏。

中南和の中心都市として、県やほかの市町村への影響力も大きいことから、今後の市政の舵取りに注目が集まりそうです。

寺井康矩 記者

2017年入局。橿原市の隣の大和高田市出身。

警察担当を経てことしから選挙担当。