ラグビーワールドカップの真っただ中。「しがばな」もラグビーの話題です。
日本代表をはじめ世界レベルの戦いを目にして、ラグビーに関心を持たれた方も多いのではないでしょうか?
今回ご紹介するのは、ラグビーでも
この「タグ」を使います。
ラグビーをはじめたばかりの子どもたちや、ご高齢の方まで。安全にラグビーを楽しめる「タグラグビー」
小学校でタグラグビーを指導し、滋賀県にとどまらず各地で体験・交流会を主催している草津市の小学校教諭・田中文啓さんに教えていただきました。
まず、タグラグビーの魅力とは?
田中さん:
ラグビーの魅力であるパスをつないでいく、相手陣内に駆け込んでいくという魅力はそのままに、まだ体のできていない子どもたちも十分に楽しめるように接触プレーが禁止されているので、世代に関わらずいっしょにプレーすることができます。
ラグビーの魅力のひとつに、体と体のぶつかり合いがありますが、、、
(頑丈な大人同士で実践。。。田中さん、結構しっかり当たってこられました。。。)
ただ、子どもたちには、恐怖心などもあるのでしょうか。
田中さん:
そうですね、体格差もありますし怖かったり、難しかったり、危険であったりするのでそれらを取り除いたのが、この「タグラグビー」なのです。
「タグ」どうやって使うのでしょうか?
ここからは、別井が体験させていただきます。
ひとりにつき、タグは2本。
まず、タグをつけるためのベルトを体に巻き付けます。
わたしのようにお腹が出てしまっている人でも大丈夫!です。(今回、タグ用のベルトを2本を連結しました・・・)
そして、ベルトの「左右の腰」のところにタグを着けます。
右と左、両側に装着です。
取り外しは簡単!
実際に試合中に、取られて、付け直して、を繰り返していくそうです。
では、準備は整いましたので、、、レッツトライ!
『タグ!』
(タグを高々と掲げる田中さん。とともに「タグ」の声がなかったら気が付かないくらい、体の接触はありませんでした)
タグを奪われてしまった別井。
さて、どうなる?
田中さん:
「タグ」を取られると、タックルを受けたのと同じように一旦ストップして、そこで味方にパスを出します。
なるほど。
タックルを受けて倒れた選手が、ボールを放さなければならないように、タグを取られると、そこでボールを手放さなければならないんですね。
(おもしろくなってきた別井。そのままもう一度挑戦も、、、あっさりタグを奪われたのでした)
体をぶつけるのではなく、「タグ」を狙ってディフェンスをするので、
意外と小さくすばしっこい方が有利かも?などと思っていたら
田中さん:
子どもに案外勝てないんですよ。子どもたち速いだけでなく、パスもうまいんです。(パスは、横か後ろにしか投げられません)
その他のルールは、
▼1チーム4~5人▼ボールはタグラグビー用でも、ラグビーボールでも構わない(扱いやすくするために空気圧を少し緩めてもOK)▼コートの大きさは「20m-30m」×「30m-50m」でゴールポストは不要(会場に応じてインゴールのスペースが取れなければ、ゴールラインを越えたら「トライ」)など、実は大会や現場の状況に応じて、変えていいそうです。
▼得点はゴールラインを越えたインゴールにボールを置けば「トライ」で1点▼キックはなく、ゲームの再開は「フリーパス」 など、ラグビーからのアレンジもされています。
試合中の写真を見ても、黄色いタグをしたディフェンス側は、ボールを持って攻めてくる赤いタグの選手の「タグ」に向かっているんですね。
スタジオで少し動いただけでしたが、いい汗をかかせていただきました。。。
【"タグラグ"出身のトップ選手も】
田中さんはタグラグビーの普及に、長年取り組んでこられ、
教え子には、タグラグビーをきっかけに、現在本格的にラグビーに取り組んでいる選手もいます。
滋賀県の女子ラグビーチーム「BREEZE」
中心選手の杉江芽衣奈選手です。
小学校5年生のときに田中さんの下でタグラグビーをはじめて、滋賀県で準優勝するまでに急成長。
大学生になったいまも、女子のトップレベルでラグビーを続けています。
田中さん:
本当に休み時間も放課後も一緒になって練習三昧でしたね。真面目に取り組む、仲間想いのすごく優しい子でした。タグラグビーを通じて、スキルは磨かれたところがあると思います。せっかく一生懸命やって身につけたスキルを生かせる場があるというのはうれしく思いますし、今後もこういう選手が増えていくといいなと思います。
【トンガ王国を救え!ラグビー仲間の絆】
今度のタグラグビーの交流・体験会には、ある方がゲストで参加します。
元ラグビー日本代表・フォワードでトンガ王国出身のタウファ統悦さん。
いまは花園近鉄ライナーズのスタッフとして、ラグビーの普及活動に取り組まれています。
今回、田中さんはタウファさんといっしょに、トンガ王国へのチャリティーを呼びかけます。
田中さん:
トンガ王国では海底火山の噴火被害があって、タウファさんのご家族も被災され、ずいぶんと心配されておられました。 ラグビーを通じて日本とつながりのあるトンガ王国のために、なにかできないかということで支援活動していきたいなと思っています。
田中さん:
タウファさんの言葉で「ファミリー」とよく言われます。「仲間」ではなくて、トンガでは「ファミリー」みんなみんな「ファミリー」なんだ、相手の事を思って助け合いながらやるんだよ、ということを伝えてもらいました。その言葉を大事にして、今回募金活動を行うことにしたのです。
ラグビーというと、あの言葉。
ONE for ALL ,ALL for ONE
ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために
ラガーマンたちのこの思いがフィールドの外でも浸透しているように感じます。
最後に、田中さんにふだんの指導の中で大事にしている言葉を聞きました。
『自分を信じて、仲間を信じて』
田中さん:
僕が指導しているチームの合言葉でもありますし、やはりラグビーは自分ひとりではできません。 ラグビーだけでなく、生活の中で常に自分だけではなくまわりを信じながら、助け合いながら、生活できたら成長できるんじゃないかなと思っています。タグラグビーを通して人としても成長してほしいなと願ってこの言葉を選びました。
■タグラグビー交流・体験会 詳細■
タグラグビーDREAM.9 ~トンガ王国チャリティ
日時:9月24日(日) 10:00-12:00 (小雨決行)
場所:草津市 三ツ池運動公園 多目的グラウンド (草津市西矢倉1-3-1)
参加費:1人につき100円(保険含む)
主催:タグラグビーDREAM実行委員会
参加申込先:滋賀県ラグビーフットボール協会 加藤さん(seta-e6@otsu.ed.jp)
田中さん:
経験に関係なく、はじめて楕円球にふれる方も大歓迎です!当日の飛び入りも大歓迎ですのでぜひお越しください。個人での参加も可能です(希望者には、集まったメンバーで当日チームを作り試合参加していただきます)
(2023年9月21日「おうみ発630」放送 「しがばな」より)